2008年2月20日水曜日

自衛鑑事故の報告は2時間後

自衛鑑と漁船が衝突し、漁船の乗組員が行方不明になっている事故が福田首相に知らされたのは2時間後だったという。石破大臣に伝えられたのはその30分前。元安全保障室長の佐々淳行氏が以前著書で「緊急時の第一報の重要性」について書いていた。通常の報告は5W1Hを満たさなければいけないが、緊急時は多少情報が欠けていたり不正確でも第一報としてトップに知らせることが重要だというのだ。今回のケースでは自衛鑑が漁船と事故を起こしたということが伝われば良い。自衛鑑や漁船の船名や場所被害者の人数や名前などの詳細は後から補完していく。
なぜ第一報が重要かと言えば、トップが驚かされるからだ。例えば、第一報がなくマスコミから大臣や首相が事故を知らされるとなれば恥をかくことになる。だから、分かっていることだけを可及的速やかに知らせないといけない。
これは情報伝達システムの問題ではない。組織に関わるものの心得だ。緊急時の不正確な報告を嫌がる人もいるが、それはその人が悪いのであって知らせた方の責任ではない。
実際ビジネス上でも悪い知らせは報告が遅れがちになる。だが、悪い知らせほど一番にトップには知らせないといけないし、トップもそれを奨励しなければいけない。
緊急時の第一報や関係者間の情報交換や対応については佐々淳行氏の著書の他、サリン事件に対する都内各医療機関の行動が参考になる。

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