2009年9月8日火曜日

これで国内雇用は蒸発するかもしれない

実質的に時期首相に決まっている鳩山由紀夫民主党代表が国連気候変動サミットで日本の温暖化ガス削減目標を90年比25%にする方針を打ち出したらしい。現政権の目標が同比8%なので野心的な目標と言える。サミットでは中国やインドなど途上国が日欧米の先進国に対して目標をもっと高くする様に求めており、衆議院選挙前から25%の目標を民主党は掲げていた。

民主党はマニフェストで地球温暖化対策税の導入を打ち出していて、それに企業に対する排出量削減目標を突きつけてくると思われる。ガソリンの暫定税率廃止や高速道路無料化は25%目標に逆行しており、更に企業に対する削減要求が引き上げられる可能性もある。これでは企業の経営環境が悪化し、折角環境技術で生産量を増やそうとしているのに海外に生産拠点が出ていきかねない。

鳩山代表はEUの目標に遜色ない数値を打ち出したのだろうが、EUには東欧の旧共産国が含まれる。90年は旧共産国は技術水準が低く環境対策は不十分であった。EUは西欧の水準に東欧を引き上げるだけで目標が達成出来る。アメリカも同じで、環境対策車が日本メーカーで占められる様に、その環境対策は元々不十分だ。

翻って日本を見てみると、当時最も厳しかったカリフォルニアの排出ガス規制に対応したホンダをはじめ環境対策には従来から余念がない。また、少資源国であることからエネルギーコストが高いので、省エネ製品が普及している。過去の公害の教訓と狭い国土で工場と住宅が近くなってしまうことから企業の環境対策も進んでいる。そこに更なる温暖化ガス削減を過剰に求められたら企業は国外に移転するしかない。

国内生産を続けたとしても、環境対策投資や税負担などによってコストが上昇するので、製品価格の上昇やラインの自動化によって家計負担増か雇用減少につながってしまう。

さて、鳩山政権はどうするのか。

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