2007年5月28日月曜日

ペンタックス騒動の顛末

読売ウィークリーに顛末が掲載されている。
「名門ペンタックス『苦悩の50日』」
この中ではHOYAとの経営統合を強引に推し進めた浦野元社長に反対派の経営陣が反旗を翻したと書かれている。反対派の中心は綿貫社長。しかし、反対派は株主に効果的な再建策を示すことが出来ず、HOYAのTOBを受け入れることに。
読売ウィークリーの記者は「経営陣が主導権争いの果てに企業価値を毀損させ、双方痛み分けの状態でHOYAに買収され、かわいそうなのは振り回された社員だ」と言っている。
だが、待って欲しい。本当に経営陣は双方とも自己保身しか考えず、社員は被害者だろうか?この騒動の責任は合併反対派にあり。経営を混乱させ、企業価値を毀損したのだ。筆頭株主が綿貫社長の再任を拒否したのは当たり前だ。
逆に、浦野元社長は経営環境を判断して企業価値を維持しながら事業を継続する道を冷静に選択していた。それに感傷的に反対した綿貫社長派の責任は重い。
その綿貫派の造反を後押ししたのは社員の声なき声だと思う。綿貫派は社員のHOYAアレルギーやカメラ事業の先行きに対する不安を背景にクーデターを起こした。だから、彼らに何らかの展望やビジョンがないのは当たり前だ。だが、政権を奪取した彼らは社員から歓喜の声で迎えられなかった。再建策の一つ、本社売却は「転勤をしたくない」という危機感の欠片もない言葉で白紙に戻った。
要は、社員は「変わりたくなかった」だけなのだ。だから、浦野元社長は多少強引でも蛮勇をもって変えようとした。この危機に対する闘争心を綿貫派は持つことが出来なかった。本来なら彼らは統合に向けて社員一人ひとりと話し合い、マインドチェンジを促す立場だったのだ。
その意味で綿貫派こそ社員に振り回されたのだと思う。

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