2008年3月14日金曜日

殺人現場が無くなる

寝台急行「銀河」が廃止になる。飛行機や高速バスなどの代替手段に押される形で姿を消す。西村京太郎の推理小説に度々出てきた殺人現場がまた一つ無くなるということだ。

メディアの持ち株会社移行

フジテレビが自社の放送事業と地方局を傘下におく持ち株会社への移行を決めた。マスメディアの集中排除の原則に従った規制が緩和されることを受けたものだ。今後他のテレビ局にも波及するとみられ、TBSも持ち株会社移行を検討しているとか。日経にはデジタル化移行に伴う投資負担に耐えられない地方局を財務的にキー局が支援出来るようになどの理由が書かれていた。
デジタル化移行に伴う…で思ったのだが、デジタル化って国が主導して推進しているものではないか。特に社会的な貢献にさして差がないアナログ放送とデジタル放送で、電波帯の解放や利便性の向上などの理由があるとしても、そのゲームに投資までして参加するかどうかは放送局が選べば良いことではないのか?それを一律に移行するというのなら、テレビ局のデジタル化投資は国が負担するべきじゃないか?
マスメディア集中排除の原則は実質的にはキー局に系列化されていて、有名無実になっていると思うが、地方局には地域貢献の為に自治体や地元企業が株主になっている場合が多い。系列化が強化されて、地元の独自の経営が阻害されるようだと問題だ。
マスメディア集中排除の原則というのであれば、既存のマスメディアが保有する放送インフラの解放を義務づけて参入を容易にするなどの方がいい。
ただ、現実は先に行っていて、ネットテレビ局が公認されようがされまいが浸透していくので、情報収集力と編集力があればいつでもテレビ局は開局出来る。全国ネットなどナント虚しい話だろうか。

政治発不況が繰り返される

日銀総裁の人事が暗礁に乗り上げている。総裁候補者が財務省での経歴が長く中央銀行の独立性が保てないのだとか。財務行政と金融行政の分離はバブルに対する反省として実施されたが、それがうまくいっているとは思えない。低金利による流動性資金の海外流出がその結果の一つだろう。
元々、組織の明確な役割分担を定義して個別に最適化しつつ、全体を最適化するという手法に問題がありそうな気がする。海外からも日本の経済行政に対する批判は強い。この数日のうちで、どの様な決着が図られるかが経済減退の鍵となるだろうか。

2008年3月11日火曜日

リスクマネーがない日本経済界

グッドウィルの債権が米ファンドのサーベラスと証券会社モルガン・スタンレーに売却されることに決まったらしい。債権はみずほ銀行が融資したものだが、与信が過大と評価されたらしい。グッドウィルというリスクを抱えることは銀行には出来ないかもしれないが、日本国内にリスクを負って再建を担おうとするファンドや証券会社はいなかった。
日本の会社ではリスクの評価が出来ないのかもしれない。「水に流す」と言うが、失敗を忘れることは日本社会の悪弊だ。だが、失敗を成功の糧にしてこそだと思う。
新銀行東京の危機も似たような話だ。他の銀行が過去に失敗した記憶をもっと研究するべきなのだろう。産業界は先に動いている。電機業界はいまや同業とは思えない。
電機業界は主力事業に違いが大きい。東芝などは国内に競争相手はいないだろう。海外のメモリメーカーや原子力発電メーカーが相手だから国内の競争に汲々とする必要はない。国内市場を多くの同業者で争うことの愚を改めたのだと思う。
国内資本の金融機関が過去の失敗を研究し、より大きいリスクを取って産業界を活気づけて欲しいものだ。

2008年3月10日月曜日

ソニーエリクソン日本撤退

ソニーエリクソンがドコモ向け携帯電話端末から撤退するという。au向けは音楽配信事業で提携しているため、当面は維持するというが最終的には撤退するのだろう。

携帯電話の規格やサービスで、日本市場は特異な成長を遂げており、ガラパゴスと称されている。しかし、世界の携帯電話市場では(全産業でも)グローバルで収益を上げることを目指している。すると産業によっては特定セグメント向けの製品開発は難しいということになる。
ソニーエリクソンの今回の決断は日本市場が閉じた系の中で収益を上げるのは難しいと判断されたということだ。日本市場の魅力は単体でも一億を超える消費者と労働者がいるという点だ。だが、日本は少子高齢化の社会構造の変化に対応出来る効果的な政策を打ち出せてない。結果として、日本市場の先行きが暗いと思われているのだろう。

三菱も撤退を決めたということで、携帯電話端末はシャープあたりしか残らないかもしれない。