2008年2月23日土曜日

煙草でリラックス出来るという幻想

少し前の話。
社内の5S活動の話し合いの場で、会議室の使用について取り上げられた。会議室使用後に使用者が部屋を綺麗にしていないという問題だ。来客者に出されたお 茶の片付けや煙草の灰などが掃除されてなくて放置されているという現状が報告された。そこで「オフィスフロアを会議室も含めて全面禁煙」という案を出し た。
先に言っておくと、僕は喫煙者だ。しかし、会議中やましてや来客中に煙草を吸うことはない。ガテン系の会社なので社内での喫煙が認められる傾向がある。さ すがにデスクで吸うということはないが、会議中や来客時に煙草を吸っている姿を良く見かける。そこで、全部禁煙にしてしまえといったわけだ。
すると他の人が「来客時にお客さんと煙草を吸ってリラックスして話が弾むことがある」と言って来た。それは「気のせい」とばっさり。喫煙時に脳の酸素濃度 が低下することは実証されているので、喫煙してリラックスするというのはアタマがボーっとするのを勘違いしているだけのことだ。
最終的に出席者全員が納得したので実施する方向で検討することになったのだが、会社のNO2がヘビースモーカーなので実現するかどうかは微妙。ただ、全社的なボトムアップの活動をトップが気持ちよく受け入れてくれれば雰囲気も変わると思う。

タクシー値上げを考える

昨年12月のタクシー値上げの影響が調査され公表された。

東京のタクシー客戻らず、1月の1台当たり収入2.1%減

値上げはタクシーの運賃収入が減少しているので値上げによって収入を増やそうというものだったと思うが、結果は・・・。都内では客離れが進んで乗客数がタ クシーの値上げ幅を上回って減少したので収入減。地方は乗客数の減少が値上げ幅を下回り収入増という結果になった。景況感の問題もあるだろうが、タクシー 値上げは正解だったのだろうか?
タクシーの利用者数や利用総距離は年々減少の一途を辿っている。値上げ後に2.1%の減少となっているが、そのままにしておくと3%を超える収入減だったと思えば効果はあったようだ。やらないよりはマシという感じではあるが。。。
タクシーは装置産業なので回転率が生命線。乗客がいようがいまいが車両とドライバーは維持しなければいけない。だから、どれだけ客を乗せている時間を増や すかが問題になる。地方の場合は利用者の母数である住人が少ないので乗車率を上げるのは限界があろう。タクシーの値上げをしても代替の交通機関がなければ 乗車率はそれほど変わらないので値上げが収入増に直結する。
逆に、都市圏では代替の交通機関が発達しているので値上げをすると他の交通機関に利用者が流れてしまう。乗車率が値上げ率より下がれば収入減となってしま う。タクシーは比較的価格弾性が強いので値上げが乗車率減少に直結してしまった。しかし、都市圏で値下げをするとどうなるだろうか。タクシーの運転手や会 社はいやがるが、短距離を特に安くするとどうなのだろう?例えば2キロあたりで200円みたいな値段にするとどうだろう?
タクシーの場合、仕入れ材料はガソリンやLPGなどの燃料だけ。軽油などを使えばリッター70~80円というところか。リッター8キロ程度とすれば4キロ の走行での限界利益は200円-20円で180円となる。近距離のみでポイント・ツー・ポイントであれば気軽に利用しようと思える値段で時間あたりの客数 を増やせば良い。タクシーは乗り場で客待ちをしている時間が長いから、それを止めてタクシー乗り場の少ない地域を流して気軽に利用できるようにすれば乗車 率を数倍に増やすことが出来るのではないかと思う。

2008年2月22日金曜日

書評 デキる広告52のヒント

デキる広告52のヒント
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友人が翻訳出版をしたので早速読んでみた。

広 告が消費者や顧客との接点の一部であるとして、それはマーケティングの方針や製品の戦略に裏打ちされていなければいけない。そして製品戦略自体が競争力が なければいけない。本書は最初に企業戦略の基本的な概説から始まり、それをマーケティングに展開していくステップが詳説されている。そして、後半は広告マ ンとして有用なTipsが多く紹介されている。戦略を土台に、製品を開発して、それを広告に展開する。広告作りは奥深いし、面白いものなのだなと思った。

地下鉄の空調が寒い

前から思っているのだが、通勤電車の空調はどうにかならないものだろうか。

東急田園都市線から半蔵門線への直通電車を利用しているのだが、この電車が朝の通勤時にとても寒い。二子玉川で空調が動きだす。この駅で乗車率が高くなるからだろうが、渋谷で乗車率は一気に下がる。ところが、空調は止まらないのだ。
冬はもちろんのこと、夏も冷房が強力に効いていて耐えられないほど。それまでの混雑でうっすら汗をかいているので特に寒い。風邪をひいたこともあり、それ以来夏でも上着はしっかり着込むことにしている。

こまめな空調の調整をして欲しいものだ。

マイクロソフトは戦略転換をどこまで徹底できるか?

マイクロソフトが主要技術の情報供与を積極化する。従来の技術やソフトの権利を守り囲い込む戦略からの転換が期待されている。独禁法に抵触するという事態を乗り切るための方針転換でもあるのだろう。パソコンのOSはウィンドウズの牙城が崩れることはないだろうが、アプリケーションは急速にオープンソースや互換製品が広まっている。

そんな中の戦略転換が何を目指しているかは良く分からないが、徹底できるかが重要だと思う。かつてヤマト運輸は宅配事業を展開する時に設備や人材などのリソースを集中投下するために大口顧客である百貨店との取り引きを全て止めてしまった。短期的にみれば安定売り上げを失う決断は逆に新事業でなんとしても成功しなければならないという切迫感を生み出した。ヤマト運輸成功の一因だろう。

何につけても愚直さは大事だ。戦略が成功するかどうかは結局はそこにかかっている。

2008年2月21日木曜日

電車にあいた不自然な隙間

久しぶりに飲んで遅い電車に乗った。ふと車内を見回すと不自然な隙間がポッカリ。シートに座ったスーツ姿の男性を遠巻きに囲むように他の乗客が立っている。
OH!REVERS
被害の範囲は広くなさそうだがちょっと気分が…。次の駅で彼は何かに引っ張られるように出て行った。若いな〜。僕にもあんな時代があったな〜。

日暮里・舎人ライナー

荒川区と足立区を結ぶ日暮里・舎人ライナーが来月30日に開通する。最近は23区の南側と西側しか行き来しないので、全然知らなかった。ゆりかもめと同じ新交通システムだということで、多分無人運転なんだろう。
始発駅の日暮里は知っているが終着駅は知らない地名だった。地理に明るくないので路線図を見てもさっぱり分からない。新興住宅地があるんだろうか?

いずれ「ぶらり途中下車の旅」で紹介されるだろう。アド街でも…。知っている方、教えて。

実印を作る

大人として、ちゃんとしようというわけではないが実印を作った。これでいつでも保証人になれる。
不思議なことに契約者本人より保証人の方が実印や印鑑証明を要求される。保証人として、契約に立ち合わなくても印影と紙切れ一枚で自分が証明されるかと思うと恐ろしい気がする。まあ、そんな機会はないだろうが気を付けよう。

仮面ライダーのヒロインは二年続けて受難

仮面ライダー電王のヒロインを約半年間演じた白鳥百合子がブログで所属事務所を退社したことを発表した。電王の前の仮面ライダーカブトのヒロイン里中唯も 放送終了後に所属事務所を退社し引退した。二年連続でヒロインが所属事務所を退社(一人は引退表明)となったわけだ。里中唯の引退に至る経緯は良く分から ないが、白鳥百合子は多忙による体調不良が原因。一年にわたる連続ヒーローものの撮影に夏休みの特別映画版の撮影など体力的に大変な面があるのではないだ ろうか。

仮面ライダーの撮影スタッフは二組いるらしい。監督も二人。スタッフは二週間に一回の制作だが、キャストは毎週。それが一年もとなると大変なのだろう。電王の主役佐藤健も終盤で体調不良のため入院を余儀なくされた。今回のキバでは二つの場面(時代)で分かれて撮影が進んでいるらしい。キャストへの負担は少ないだろうから(一部、両方に出演しているキャストもいるが)、制作側も配慮したのかもしれない。

国産回帰でも日常的には輸入を選ばざるを得ない…食品リスク

殺虫剤入り餃子の事件で国内産食料品の売り上げが上がっているらしい。JAの展示会は国内産野菜を求める食料品店や外食店のオーナーや仕入れ担当者で盛況だという。高級店を中心に国産指向が高まっているらしい。だが、安全だからと高いものが買えるか。
平均給与が上がり、消費者物価が下がっているというのに物が売れているという実感はない。平均というのは実に判断を誤ることがある。給与が偏在することを覆い隠してしまうからだ。実際、多くの企業で給与は上がっていない。
給与が上がらなければ生活のために安価なもので自衛せざるを得ない。中国産は相変わらず売れるだろうし、国産が売れるのもこのままだと一過性のものに終わるだろう。
結局本当に安全が得たければ自給自足をするしかない。だけど、それじゃ経済規模は大きくならないから他人が作ったものを利用する。そこで必要なのは信用であって、今回の事件も中国の問題の工場が信用出来るかということだと思う。
中国高官は工場内の監視カメラの映像などを公開しないまま問題はなかったと主張しているが、これでは信用は得られないだろう。

ただ、それでも日常的には安価な外国産を買うだろう。中国の工場が信用をどうやって回復させるかと、給与水準がどうすれば上がるかということを考えさせられた。

2008年2月20日水曜日

東芝、HD DVD撤退を正式発表

東芝がHD DVDからの撤退を正式に発表した。「勝ち目がない」というのが理由だと表明する西田社長はかえって清々しさを覚える。
撤退というのは難しい決断だが、勝ち目を考えて直ぐに行動に移すのは良いリーダーに備わった資質だ。
織田信長は退き陣の素早さで知られている。圧倒的な武力で敵を平らげた信長にも敗戦は多い。敗戦の時、信長は先頭に立って退却する。恥とか外聞は気にしない。まず生き延びることが第一だ。生き延びればこそ再戦も叶う。
負けを認めることはトップには難しいことだが、その度量こそが大事だ。

自衛鑑事故の報告は2時間後

自衛鑑と漁船が衝突し、漁船の乗組員が行方不明になっている事故が福田首相に知らされたのは2時間後だったという。石破大臣に伝えられたのはその30分前。元安全保障室長の佐々淳行氏が以前著書で「緊急時の第一報の重要性」について書いていた。通常の報告は5W1Hを満たさなければいけないが、緊急時は多少情報が欠けていたり不正確でも第一報としてトップに知らせることが重要だというのだ。今回のケースでは自衛鑑が漁船と事故を起こしたということが伝われば良い。自衛鑑や漁船の船名や場所被害者の人数や名前などの詳細は後から補完していく。
なぜ第一報が重要かと言えば、トップが驚かされるからだ。例えば、第一報がなくマスコミから大臣や首相が事故を知らされるとなれば恥をかくことになる。だから、分かっていることだけを可及的速やかに知らせないといけない。
これは情報伝達システムの問題ではない。組織に関わるものの心得だ。緊急時の不正確な報告を嫌がる人もいるが、それはその人が悪いのであって知らせた方の責任ではない。
実際ビジネス上でも悪い知らせは報告が遅れがちになる。だが、悪い知らせほど一番にトップには知らせないといけないし、トップもそれを奨励しなければいけない。
緊急時の第一報や関係者間の情報交換や対応については佐々淳行氏の著書の他、サリン事件に対する都内各医療機関の行動が参考になる。

2008年2月19日火曜日

カストロ議長退任

キューバのカストロ議長が退任するそうだ。カストロっていうとアメリカの天敵というイメージがある。ケネディ大統領と情報戦を繰り広げたキューバ危機は歴史上の話としか思えない。東西冷戦を戦った世界の首脳が物故するなか命を長らえているカストロを見ると、長生きすることで最終的に天下をとった徳川家康を連想する。
だが、家康と違うのは敵対者が死んでも後継者が混乱なく選ばれるシステムがあったということ。信長と秀吉は良い後継者を得られなかったが、アメリカは後継者を秩序だって選び続けた。
カストロ後キューバは国際社会に復帰しようとするのだろうか。

謙虚な自信家

自戒を込めて言う。

謙虚な自信家のなんと多いことか。

最近、勝間和代氏の著書や禁煙セラピーの本などを読んで色々と考えるところがあった。ハウ・ツー本は我々が最も慣れ親しんだものだ。学校では教科書という名で、社会人になるとマニュアルという名で、おそらく最も読まれている種類の書物だろう。これらのハウ・ツー本は素直に読み、実践し、成果を得る人達も、ことビジネスのハウ・ツー本になると成果を出せない。

気後れしたり、「頭がいい人には出来ても自分には無理」とか「自分(の仕事)には合わない」とか思うのだ。でも、実際どれほどに違うのか。相田みつおではないが、人間だものそんなにかわらない。

かと思うと自分なりのやり方が一番だと他を参考にしない。そんなに偉くないから、とか言う割にその実自分が一番と自信を見せる。でも結局は誰かに頼らないと駄目。

良く出来た計画を「教科書通り」と揶揄し、計画を無視して失敗する。自分の考えに従ってやりたいと思うメンタルモデルがあって、居心地がいいものだから安住する。全く!しょうがない奴だ!俺は。

2008年2月18日月曜日

通販事業者むけサービス全盛

佐川急便が通販事業者むけのサービスを統合して提供する。物を運ぶのに加え、現金決済やクレジット決済は行っていたが、ネット決済やコンビニ振込にも対応する。サイト開発の受託もするようになるだろうし、ネット通販を始める障壁は尚更低くなるだろう。
古い業界でもイノベーションの種は探せばいくらでもって見つかるってことだ。

Yahoo!を巡る争いに孫正義が参入

米国Yahoo!の争奪戦に孫正義が乗り出さない方が不思議だ。まだ派手な動きはないが、Yahoo!ジャパンを切り回し、有線無線の通信事業を所有するソフトバンクならYahoo!アメリカを足場に欧米の通信事業にも参入しようとするのではないかと思っている。また、Yahoo!はサービスが国境を越えない。会社も地域や国ごとにバラバラ。Yahoo!アメリカを買収後に各社を統合するってことも考えられる。
まあ、大層お金はかかるだろうが、不思議と大金を使おうとする人のところには金が集まるものだ。なんとかしそうな気がする。

ハンドボールはスキャンダルを力に変えることが出来るか?

ハンドボール男子アジア選手権 日本、サウジアラビアとの初戦を引き分ける

中東の笛で物議を醸したハンドボールのアジア選手権の話題。

ハンドボールがニュースで取り上げられるようになったのだから、中東の笛も悪くない。マイナーなスポーツが注目されるには何がしかの「事件」が必要なのか もしれない。その点、決して競技の構造として人気が出るとは思われない相撲は定期的に事件が起きるので注目され続けている。とは言え、スキャンダルを越え た人命に関わる事件を起こすのは言語道断だが。。。

ビジネスシステムも見た目が大事

なぜ「見た目」にこだわらないのか、IT部門の大きな勘違い

「見た目」が重要であるのは、情報システムだって同じだ。いくら最新のIT製品の機能を駆使し、素晴らしい情報を提供したとしても、現場の利用者に使って もらえなければ、そのシステムが価値を生み出すことはない。考えてみれば当たり前のことだが、これに気付いていないIT部門は、意外に多いのではないだろ うか。

事例は全日空の利用者向けサービスの話だが、実際に社内向けシステムデモ”見た目”は大事だ。たとえ社内で使うシステムでそれを利用するように強制したと しても、不便だったり見た目が貧弱だと使われないことが往々にしてある。情報共有システムは一昔前から流行しているが、なかなか浸透している会社には出会 わない。システムが不便だったり、見づらかったりするため、結局は手書きのメモや電話、対面の会議が頻繁に開催される。

情報システム技術者は設計やプログラミングの技術に加えて「デザイン」に関する知識を身につけた方が良いと思う。

試合に負けて、勝負に勝つ

BD vs HD-DVD、勝ったのはどっち?

という記事より。
以下の設問に対する回答。

東芝撤退? 次世代DVD戦争は何を残したか:CNET Japan オンラインパネルディスカッション - CNET Japan

それでも、ネットにはまだまかせられない大容量データのやりとりという需要もある。たとえば未編集の動画をどっさり届けたいとか。こういう場合でも、 今やBDなりHD DVDに焼くより、iPod Classicあたりを「通い函」にした方がずっと手軽なんだよね。これじゃゴージャスすぎるというのであれば、1万円前後でポータブルHDDがいっぱい 出てるし。
もちろん、容量が少なければ、USBメモリーだっておk。マイクロSDとかなら、切手よりも小さいしケータイにだって入る。
そうやって考えていくと、今やBD相当のマーケットニッチって、思いの外小さい。
BDは勝ったけど、勝利の大きさとしてはMD程度におさまっちゃうのでは。

っ ていうのは確かに・・・。MDもソニーがぶち上げて何年もったか。数年後にはMP3プレイヤーに市場を食い荒らされ、今やiPodがスタンダードになって しまった。媒体に音楽を録音して再生機にセットするのがなくなってしまったのだから、動画コンテンツを媒体に録画して再生機にセットするのも直ぐに陳腐化 してしまうだろう。

今後、家庭用DVRも数十テラバイトの容量を持つようになるだろうし、通信帯域だってもっと大きくなっていくだろう。 ほんの15年前までは1.4MBのFDを使って、1.4Kbpsの通信環境でインターネットをしていたことを思えば、この数年で環境は激変した。10年後 には家庭用通信帯域は平気でGbpsをたたき出すだろうから大抵のデータはネット越しにダウンロードできるようになる。今回のBD陣営の栄光はそれほど長 続きはしないだろう。

市場は正直だ。HD DVD撤退のニュースとメモリ工場の新設のニュースで東芝株は急上昇だ。

東芝の大幅高で株式センチメント改善期待、英銀国有化も後押し

東芝は次世代DVD規格争いという試合には負けたが、競争力のある事業構造の構築という勝負には今のところは勝てているようだ。

やっぱり中国は中国

中国メディア、ギョーザ「安全」報道過熱 当局の意向か

当局の指示をうけて中国メディアはギョーザ事件は中国工場の問題ではないという主張を繰り広げているらしい。改革・開放といっても、中国は中国ということ だ。今年の北京オリンピックの成功を優先するために事実を覆い隠してまでも「安全」をアピールすることに必死だ。日本でも、「日本も高度成長期まではひど かった・・・」という言説は多い。なるほど、そうかもしれないが、だからと言って今の中国の環境や人民の惨状を放置する理由にはならない。

「中国と日本は親しい友人」というスローガンもあるが、ならばこそ指摘し助言しなければいけないのではないか。今回の事件を政治的な配慮や(温首相の訪日のためとか)経済的な目的(中国の消費力が魅力だとか)のためにうやむやにしてしまわないことを望む。

テレワーカーを増やせ!

労働力不足時代・生き残りのカギはテレワークにあり

労働力人口が減少していく時代、女性を中心とした在宅勤務者をネットワークして仕事をしようという話。テレワークと言うと、従来は分割可能な単純作業をすることが多かった。要は「内職」だった。

しかし、現実には、そのような「分割可能な仕事」は、それほど多くはない。日本の会社における業務のほとんどは、チームで協力し合って仕事をするのが一般的だからだ。

とあるように、実際にはそんなに仕事量はない。だから、ネットワークでありながら「複雑でチーム力が必要な」仕事をしなければいけない。職場を見ても決し て同じオフィスにいることに意味があるとは思えない場合は多い。経営者からすれば安心感があるということかもしれないが、本当は効率的に業績を上げること が重要なのだから、そのための方法はいくらでもあるのではないかと思うのだ。

働き方に対する考え方をドラスティックに変えてしまう必要があるのだと思う。

生産性向上が進まない理由

ハケンの反撃<4> 勤務記録で対抗

マクドナルドの裁判や派遣業者の行政指導などが続発するなかで、労働者側の自衛策として個人的な勤務記録(日報)をとっておくことは大事だ。だが、この記事は経営者側(会社側)にも改善すべき点を教えてくれる。
「何故、強制的なサービス残業が発生してしまうのか?」という質問をしてみよう。記事では

しかし勤務時間を管理するパソコンには、残業時間を含まないシフト通りの時刻を入力する「暗黙のルール」がある。一度実際の退勤時刻を入力したが、いつの間にか修正されていた。

とあるが、これはコスト削減、原価削減のために人件費を下げようとしたためだと思う。しかし、会社側の視点でいうと残業代が記録されないことによって会社 の業務実態が分からなくなるという結果を生んでしまう。経営者は人・物・金を管理することが大きな役割の一つとなる。だが、この経営者は人の管理をいい加 減にしてしまっている。これによって、従業員がどの程度の効率で働いているのか分からなくなってしまっているのだ。

確かに、経営者はコストを削減することを求める。大きな組織の場合は現場単位で「対策」-残業代を記録しないなど-をしてしまう。しかし、これは自分の会 社の効率を見誤らせることになるので、間違った意思決定を導いてしまう。かかってしまったものはそれとして正確に記録しなければいけない。

深夜から早朝にかけて働き、休憩一時間を含む八時間勤務のシフト。「百種類もある仕事」は規定時間内に終わらず、残業は日常的だ。

このことこそがこの会社の問題だ。「百種類もある」仕事がどんなものかは分からないが、それをこなすのに現状の目標コストで見合わないのであれば、何かを 改善しなければいけない。仕事の種類を減らすために業務の整理をしたり、そのために顧客と交渉をする必要があるのであれば、それを実行するべきだろう。ま ず、「残業をなくす」ために何をすればよいのかを従業員、顧客、経営者が真剣に考えなければいけないのだ。

人件費を減らすために「給与の低い人材を雇う」というのがこれまでの短絡的な対策であった。しかし、本当は社員や固定的な時間労働者を雇って、継続的に教 育し改善させたほうが最終的なコストは安くなる。問題解決のために「ごまかし」をしないということが重要で、そのきっかけとして「高コスト」を明らかにす るというのは大事である。

東芝の決定

日経新聞の一面で東芝の新工場建設について報道されていた。同時にHD DVDからの撤退は確定的なようだ。東芝が総合電気企業からメモリと原子力発電に特化すべく舵を切ったのは評価が高い。

『選択と集中』というが、本当にそれが出来る企業は少ない。いわゆる埋没コストを忘れ難いからで、結局成長性が少なくなった事業からは撤退せずに投資を抑えるだけ。新事業にも本腰をいれず、投資も中途半端。

東芝の最近の動きからは確かな経営上の意思を感じる。これは勇気というものかもしれない。