2008年1月11日金曜日

民主党の面目、自民党の意地

いわゆる「給油法案」が衆議院で可決された。衆議院での再採決で自民党と公明党が三分の一以上の賛成で"意地"を通した。参議院での審議が時間切れを迎え、自動的に否決されるところ、午前中に民主党の反対多数でなんとか"面目"を保った。

結局、給油がどれほど国益にかなうのか、他のアイデアは無いのかなど実質的な議論は国民には届かず、なんとも締まらない幕切れになった。

民主党が参議院で多数をとっても透明な議論はなく、スキャンダルを足がかりに責めるしかなかった。具体的な論戦が繰り広げられた年金問題とは温度差が感じられる。

まだまだ、民主党は反対党の域を出ていないということなのだろうか。

パナソニック

松下電器産業がとうとう社名を変える。この変化からちょっと考えてみた。

松下電器産業はブランドの混乱から株式市場で不当に安く見られていると主張している。確かに、連結売上高で上回るソニーやサムスンより時価総額は安い。しかし、ソニーとサムスンは松下に比べて海外での売上比率が高い。この違いが市場の評価の違いになっている。

すると、パナソニックに変わる松下は今後、国内での売上比率を落としていくということだ。これは、国内の雇用を支えてきた松下が雇用創出を(今の事業の中では)しないということだ。国内製造業ではトヨタもシャープやキャノンも生産を増やしている。ただ、直接の雇用をそれほど作り出しているわけではない。
当たり前の話で、製造業は常に生産性の向上を果たしている。今までは生産量の増加が生産性の向上を上回っていたので、製造業は雇用を生んだ。だが、国内販売が頭打ちになっている現在、製造業の雇用は減りこそするが、増加することは決してない。
皆が工場で働く時代は終わった。なら、何があるのか?製造業が生み出した富を他の産業が増やさないといけない。富には海外で製品を使っている人の日本に対する関心も含まれる。
日本の製品を通して日本に関心を持っている人を観光誘致し、世界中の富をかき集めないといけない。そのためには日本の魅力を海外にアピールし、外国人旅行者が快適に日本を楽しめるようにしなくてはいけない。
日本の多く観光地は世界中の観光地をライバルとして戦っていかないといけない。ここに新しい雇用が生まれるのだとおもう。

明智光秀の謎・・・

去年の12月にテレビ朝日で「信長の棺」の完結編として「敵は本能寺にあり」が放映されていた。本能寺の変で明智光秀が織田信長を討ち果たした事件は400年以上経っても大きな謎として語られている。陰謀説?光秀天海説など諸説入り乱れている。

そんな時、ある雑誌に戦国史研究家の谷口克広氏の『信長と消えた家臣たち』という書籍の紹介を読んだ。氏曰く、

「光秀は『乱』の当時67歳で、老い先短いわが身と幼い子供たちのことや、先に追放された佐久間信盛のことを考えて、保身のために信長に反乱したのだ」

という。光秀が67歳というのは、そういう記述の入った書籍が残されているらしい。これまではあまりにも老齢すぎて、ライバルである秀吉との間で年齢差が ありすぎるということで無視されていたものらしい。しかし、この書物が正しいとすれば光秀の反乱は追い詰められてのことであり、事件の謎が解かれる。

そこで光秀という人物をもっと調べてみると、祖父は光継という人らしい(はっきりはしない)。この人物は東美濃に勢力を張った人物で、機を見るに敏で当時 台頭していた斉藤道三に娘を輿入れして勢力を維持していたそうだ。その娘が産んだのが濃姫で、後に信長の正室となる。濃姫が1535年頃の生まれというか ら、その母である道三正室は1510年代の生まれということになろう。光継の生年ははっきりしないが、その息子、つまり光秀の父親である光綱は濃姫の母と 同じ1510~20年代生まれということになる。
光秀が「本能寺の変」の時に55歳であるとすると、1527年頃の生まれとなり、父親が1510年の生まれとすると17歳のときの子供ということになる。 しかし、67歳が本当だとすると1515年の生まれとなる。濃姫の母と年齢が離れていたことも考えられるが、もしかしたら光秀の父と伝わる光綱が光秀のこ となのかもしれない。すると、光秀は信長正室の叔父ということになり、譜代家臣でもないのに出世した理由も理解できるではないだろうか。

信長は「実力本意で抜擢をする」という印象があるが、それは豊臣秀吉を取り立てたから、という印象に過ぎない。実際には重臣の殆どは「身内」で占められている。

滝川一益-乳兄弟(恒興)の従兄弟
丹羽長秀-女婿(信長養女を娶っている)
徳川家康-娘を嫡男に嫁がせる
池田恒興-乳兄弟

他にも前田利家にも娘を嫁がせるなど、身内で周りを固めることに腐心している。そう考えると、明智光秀が信長と深い姻戚関係があったとしても不思議はない。

そう考えると「本能寺の変」は現代風に言えば、専務(恒興)が首にされるのを間近で見、平取(秀吉)に追い立てられて立場を危うくした常務が社長を除いて自ら社長になろうとした、と見ることが出来るかもしれない。

「煙草を吸う」という仕事

「煙草を吸う」という仕事

JTのタバコの味を決めている「ブレンダー」の話。

一人前になるのに10年かかる。。。

職人だ。

だが、タバコの消費はドンドン少なくなっていく。

もしかしたら、本当の意味での「嗜好品(=贅沢品)」になっていくのかもしれない。

人に歴史あり。商品にも歴史あり。

2008年1月10日木曜日

混雑する電車をやり過ごす

通勤に利用している地下鉄がダイヤ乱れのために遅れていた。

駅のホームに着くと電車を待つ人で溢れ返っていた。遅れていた電車がホームに滑り込んでくると、みんな我先に電車に乗り込む。ぎゅうぎゅう詰めの電車に更に乗り込もうとする。
あまりにも混雑しているので、安全確認のためか、直ぐにはドアが閉まらない。少し迷ったが、その電車を見送ることに。ドアが閉まってもなかなか電車は出発しない。そして、おもむろに電車がホームを離れていった。
客を満載した電車が出ていって三十秒も経たない間に次の電車がホームに滑り込んできた。さっきと打って変わって今度はガラガラ。空席に首尾良く座る。乗った電車は軽快に走り出すが、駅の手前で減速、一時停止。前の満員電車が原因だ。

満員電車に乗った人と僕で、駅に着く時間は三十秒も変わるまい。その時間の差を我慢すれば座れる上にストレスもない。
更に、満員電車に無理して乗った人の何割かが次の電車に乗っていれば、駅での停車時間はもっと短く済んだだろう。すると、全体的な輸送能力が悪くなることはなかっただろう。
だが、我先に…と乗り込む人にはみんながハッピーになる方法が見えない。駅員は後の電車に乗ることを勧めるが、近視眼的になっていると、そんな声も耳に入らないものだ。

僕も電車なら待てるが他はどうだろう?
自制、自省。

なぜ、民主党の話題ばかり?-米大統領予備選挙

民主はクリントン氏勝利・米ニューハンプシャー州予備選
WRAPUP4: 米大統領選ニューハンプシャー州予備選、民主党はクリントン氏が僅差で勝利

ここ数日、テレビや新聞でアメリカ大統領選挙の話題が大々的に報道されている。「オバマが・・・」「クリントンが・・・」という報道が目白押し。

しかし、忘れないでおくべきなのは、今行われているのは大統領予備選 挙でしかなく、大統領選挙に政党から立候補する代表者を決めるものでしかない。話題になっているのは民主党ばかりだが、これはブッシュ政権が末期状態にあ るために共和党に対する期待感がないとマスコミが思っているからであって、民主党の候補者が有利か、共和党の方が有利かなどは全く分からない。

特に、今回の予備選挙では民主党の候補者は「黒人」か「女性」のマイノリティになる可能性が高い。その場合、恐らく「白人男性」の候補者を擁立することに なる共和党よりも民主党に分があるとは思えない。というのも、日本の首相とは違いアメリカ大統領の場合はよっぽどのことがない限り4年の任期の間は大統領 を務めることになる。すると選挙民はどんな大統領を選ぶにせよ、相当程度の期間、彼/彼女を自分たちの代表者として仰がないといけなくなるので選出はかな り慎重な判断になると思う。日本ならば、ブームに乗って安倍首相を誕生させ、1年経たずに辞任に追い込むことも出来るので、「若い子も味見してみようかし ら」なんて気もおきるが、大統領の場合はそうはいかない。

となると、共和党のマケイン候補の方がより注目すべき存在と言えるのではないだろうか。

ただし、フランスには移民出身の若い大統領が生まれ、ドイツでは女性大統領が生まれている。世界のリーダーに求められている人物像が変わっているので、結果はまだまだ分からないが・・・。

2008年1月9日水曜日

福岡飲酒事故 「危険運転」罪の壁は厚かった(1月9日付・読売社説)

福岡飲酒事故 「危険運転」罪の壁は厚かった(1月9日付・読売社説)

飲酒運転への社会の批判が沸騰した事故だった。福岡市内で一昨年8月、車に追突して海に転落させ、幼児3人を死亡させた23歳の元同市職員に対し、福岡地裁は懲役7年6月の判決を言い渡した。

非常に残念な話だ。

しかし、被告は居酒屋などで約4時間も酒を飲んで車を運転した。判決も「起こすべくして起こした事故」と指摘している。それで過失事故だったと言われても、一瞬に3人の子を奪われた両親にすれば、納得しがたい思いだろう。

裁判所は「起こすべくして起こした事故」と指摘しているにも関わらず、「故意」との判断が出来なかった。「起きるべくして起きた・・・」ではなく「起こす べくして起こした・・・」と言っている。これは『故意だ』と言っていると同じではないか。なのに、『過失』としてしか判断できないとは司法の判断力はどこ に行ったのだろうか?と思う。

グッドウィル、週内に事業停止命令・違法派遣で厚労省

グッドウィル、週内に事業停止命令・違法派遣で厚労省

やっと出た、、、というところだが、

グッドウィルは現在、1日当たり約3万人のスタッフを派遣しており、停止命令による影響が大きいことから、厚労省は命令を出してから実際に事業が停止する日まで1週間程度間を置く予定。

さて問題は、グッドウィルによって仕事を得ている3万人の人である。彼らはグッドウィルが駄目なら他の派遣業者に登録(既に、しているかもしれないが)すれば良いというものではない。

実際、人材派遣業者がいるということにどれほどの社会的意義があるだろうか?ということを考えてみると、人材派遣会社には「日雇い」の働き手と彼らを求め る企業とが集まる。派遣会社は中間でマージンを得るだけと言えるが、そこには派遣労働者の労務管理や事務などの一切を行うための費用も必要になる。これら の間接事務経費は扱う仕事量が増えれば増えるほど効率化するから、仕事と労働者が集まるグッドウィルはそれだけで大きな利益を得ることが出来る。
だけど、実際には地方の場合は地元の知名度の低い派遣業者などからグッドウィルは仕事を斡旋してもらわなければいけない。そこには地元の中での商習慣など からどうしても「伝票を通さないといけない」関係があるからなのではないか?と思ったりする。グッドウィルもその様な業者はFCなどで囲い込んでいたんだ ろうとは思うが、二重派遣の状態になることは避けられなかったということなんだろう。しかし、そこで法令を違反するか?ということとは別だ。

法令を犯しても、売上や利益を得るのか?というのは経営者やそれ以外の売上責任や利益責任を持つ人にとっては重要な問題だ。「正しいこと」をすることに舵を切ること。それがビジネスを行う上で大事なのだと言うことを再認識させられる事件となった。

袋破き、好きなもの抜き入れる“マイ福袋”被害続出

袋破き、好きなもの抜き入れる“マイ福袋”被害続出

呆れかえったものだ。
「袋を破いて中身を確認するお客様は、かなりいらっしゃいますね。破けた袋の中身は、新しい袋に詰め替えるんですが、品数の足りないものが結構あって驚き ました。袋を破くのはマナー違反ですし、中身を抜いたら万引きですよ! 抜いた商品をそのまま持ち帰るのではなく、これから買う福袋に入れてしまうことで 本人も万引きをしているという意識が薄いのではないでしょうか?」

なんとも、レベルの低い話。
「福袋」って中身が分からないところに「遊び心」も良さもあると思うのだが。
野暮な話だ。