2009年3月3日火曜日

チーム編成の目的は、目標の達成ではなく、目標に向かって一体になることである

「ピープルウェア」(トム・デマルコ、ティモシー・リスター共著)より

「チーム編成の目的は、目標の達成ではなく、目標に向かって一体になることである」

プロジェクトでチームを組むときに、「役割」に対する「スキル」に注目しすぎだと思う。
確かにプロジェクトの目的を達成する為にはスキルは欠かせない。システム開発でチームにプログラミングスキルを持つ人間がいなければ、そのプロジェクトは成果を得ることはあるまい。だが、プロジェクトで「欠くべからざる」スキルというのは実は少ない。というのも、プロジェクトが始まる時に、そのプロジェクトの周囲には必ずプロジェクトの成果に関連するスキルを持つ人がいるはずだからだ。
プロジェクトは何もない空間にひょこっと生まれるものではない。現状と理想のギャップに気付いている人がいて、直感であれ理論的であれソリューションの存在を確信している人がいるから始まるものだ。だから、プロジェクトの周囲にはスキルを持った人材は用意されているものなのだと思う。

プロジェクトに実績やスキルが必要かというと必要かもしれないが、それで十分とは言えないだろう。それよりもプロジェクトチームが目的に向かって一体となれるかどうかの方がよっぽど重要だ。
ビジネススクールでは2〜3ヶ月毎に4〜5人のチームを組んでグループワークを行った。最初のグループワークは全く知らない同士が共同作業を行うことになる。初対面で互いの情報は名刺に書かれている程度。だが、このチームはうまく行った。毎週夜にファミレスや喫茶店に集まってディスカッションを行って、日曜日には公民館の会議室で議論に熱中した。目的は与えられたものだったが、最初に小さな課題、次にもう少し大きな課題と反復してチャレンジしたことによって相互理解が進み一体化されたと思う。
初めてのグループワークはとてもハードでチャレンジだったが、挑戦出来たこと自体がとても満足なことだった。仕事でももっとチームビルディングに注意を払うべきだ。通常プロジェクトに参加するメンバーは上位者に指名されただけで使命感を持っていない。プロジェクトの目的をディスカッションし、互いの意見交換や相互理解を通して一体感を醸成することがプロジェクトの最初に必須のことなのだと思う。

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