2011年7月26日火曜日

マーケット主義

「マーケットにニーズがあっても、求められている価格で提供出来なければ、その企業には存在価値がない。」破綻寸前の会社は概して「顧客のニーズと合わない商品やサービス」を売っている。しかし、顧客のニーズに合わない商品やサービスだから破綻するのではない。

例えば、あまり美味しくない、いや不味い定食屋。客もいないのに潰れもしない。おそらく、その店は地代などの固定費が安く、一見さんや物好きの客だけで成り立つのだろう。ニーズに見合ったコスト構造になっているわけだ。

或いは「副業」で定食屋をやってるだけで、不動産収入で食っていけるなどの場合もある。要は、キャッシュが続けば倒産はしない。まさに、"Cash is queen "。

「最初からニーズがある商品やサービスなんてない」。楽天の最初の出店は数軒はだった。システムや報酬など、数度にわたる改変を経て、日本一の仮想ショッピングモールになった。「小さな箱の洗剤」は幾ら市場調査してもニーズはなかった。商品やサービスが発売されてはじめて"出現する"ニーズもある。

潰れた会社は「ニーズに合った商品やサービスを提供出来てない」「僅かな収入でやっていける原価構造になってない」。更に重要なことは「商品やサービスを変えていない」ことだ。変えることを止めた商品やサービスは直ぐに他社にキャッチアップされる。変え続ければ顧客の満足は高まるし競争相手にもつけこまれない。

"変えること"や"変わること"を社是にする会社は多い。だが、"変えること"や"変わること"を評価する会社は少ない。大抵の場合は「最初に決めた目標を変えずに達成したか」が評価される。「部下の管理」で評価されるのなんて最悪だ。

マーケットを第一に考える人は"市場に正解がある"と思いがちだ。しかし、"結果として"市場でニーズが"確認"出来ることはあっても、商品やサービスのアイデアになるニーズが"存在する"ことは希だ。なら、若手芸人と同じ様に「これがウケるのではないか?」と試してみることだろう。一度に何個ものネタを試せば少しはウケ方も違ってくる。

どのネタがどれだけウケたか?は(笑)という成果の前では大した問題にならない。それよりもどうやって思いつくかが大事だ。市場に答えはないが、ネタを振りかければ市場は答えを出してくれる。だから、市場にニーズが"ある"なんて思ってはいけない。アイデアを試してニーズを"確認"すると思うべきだ。

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