2008年10月28日火曜日

銀行増資で株価下落は投資家が不安を感じたから?

フジテレビのめざましでメガバンクの増資の話題が取り上げられていた。経済研究家に増資の利点「株式は融資と違って返済義務がない」という基本知識や「株主の意向が強くなって機動的な経営がしにくくなる」といったことを紹介していた。基礎知識としてはそんなところか。
ただ、この発表を受けてメガバンクの株価がストップ安になったことを「投資家が『増資しなければいけないほど銀行は危ないのか』と売りに走ったのではないか」と解説したのには疑問を感じた。
一般的に企業の業績を拡大するための増資でない限り、増資すれば株価は下がる。例えば、海外に支店を開設して貸付残高を増やすなどということであれば株価は下がらない。株価は期待される配当金受取額の総額になる。配当金は企業の利益処分によって支払われる。
増資すれば株式が増えるので利益が同じであれば一株あたりの支払われる配当金の額は少なくなる。配当金が少なくなれば期待される配当金受取総額も小さくなるので株を持っている人の中には期待利回りが確保出来ないからもっと割の良い株に入れ替えるという選択をする人が出てくる。買う方も期待利回りで買うので株価は下がるということになる。

投資家は、特に機関投資家は冷徹なもので、こういう計算を常にしているものだ。危なそうという曖昧な判断はしない。

0 件のコメント: