2009年2月20日金曜日

管理とは

「ピープルウェア」(トム・デマルコ)より
"管理とは人を働かせることではなく、働く気にさせること"

「人を働かせること」と「人を働く気にさせること」では後者の方が難しい。ただし、前者の方が時間が必要になる。働かせるには部下を仕事の間中ずっと監視していなくてはならない。それはまるでコーヒー園で奴隷を働かせる監督の様に。
逆に、人を働く気にさせれば見張っている必要はない。これはデイル・ドーテンの「仕事は楽しいかね?2」でも語られている。デマルコはパーキンソンの法則の悪影響について触れているが、同時に官僚制の下では生産性が犠牲になることも認めている。官僚制の弊害は「仕事がつまらなくなる」ことだ。
官僚制を批判しつつ、日本の例を引用しながら品質を第一にすることで生産性が向上すると主張する。「ただし、面白い仕事であれば」という条件が必要だと思う。働き手の「プライドを満足」させたり、「使命感」を感じさせたり、「好きな仕事」だったりすれば品質も生産性も高まるということだ。

だから、「管理とは働く気にさせること」であるべきなのだ。その仕事が社会的に意義があったり、チャレンジャブルであったり、やりたいと思うものである様に気を配らないといけないということだ。そして、デマルコが"ピープル"ウェアと断っているように、部下を思いやりをもって「支える」ことで働きたいと思えるようにすることがーこれは、システム開発やプロジェクトに限らずー必要なことになっていくのだ。

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