2009年8月18日火曜日

公職選挙法とインターネット

衆議院選挙の公示日にあたる今日、候補者のブログやツイッターなどが一斉に更新を止めた。参議院議員や地方議員は更新を続けているが選挙に触れるものはない。

公職選挙法は公示後の候補者の選挙方法をかなり細かい点まで規定しており、決められたもの以外は「文書図画」を頒布してはいけないとしている。禁止されているものはかなり細かく指定されていて、インターネットもこの文書図画に含まれると「解釈」されているのだという。だが、誰もインターネットの更新をして逮捕された人はいないから判例もなく所管する役所がコメントしているだけなのだ。

契約書には「やって良いこと/やるべきこと」を書くものと「やってはいけないこと/禁止事項」を書くものとがある。法律を個人と社会の契約と見れば法律は後者であると思う。想定出来る禁止されるべき事項を規定するものだろう。時代が変わり当初の想定を越える事態が起きた時にその事実を取り上げて「今後、禁止事項に含める」と法改正をするのは良いが、事前または法改正のないままに個人の恣意によって法が運用されるのは法治国家の基を危うくする。

日本は憲法ですら解釈主義で恣意的な運用になっている。だが、人が立法時の状況や制約の中で決めたものを越える事態を解釈で乗り切るのは無理がある。想定外の事態が起きたら速やかに法改正がされてしかるべきだ。そして、法改正されるまでに起きたことを遡及してはいけない。これが一部権力者の恣意を排除するために人間が生み出した知恵だろう。

インターネットによる選挙活動は明らかに法が想定していない。ならば、法改正するまでは自由にするべきだ。仮に不都合が起きれば、それを改正の根拠とすれば良い。そもそもインターネットでの選挙活動が行われなければ禁止すべきかどうか分からないではないか。ならば、候補者はやってみるべきだし法が定めていない以上は警察も取り締まってはいけない。

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