小泉改革の基本理念は官から民へだった。これは国がやっている事業を民間企業がやることにして、その分のお金を減税や他の事業に回すという話だ。しかし、事業主である国や政治家の抵抗は激しい。そこで考えたのが、無限とも言える国債引き受け能力を持った郵貯・簡保の解体廃止だ。
郵貯・簡保が民営化上場によって政府の影響力が無くなれば、預金の8割を国債に投資するなんてことは無くなる。当然、国債の市場は縮小し、利率も上がるため簡単には発行出来なくなる。そうすれば、無い袖は振れないのだから公営事業を民間に解放せざるを得ない。そうなれば、国家予算はあっという間縮小する。
郵貯マネーが国債に投じられないというのは、民間の融資に資金が流入するということだ。企業が調達出来る金庫の大きさが膨らむので、融資をいままでよりも有利な利率で受けられるようになる。企業活動は活発になるので雇用も増える。官営事業は非効率な上に人件費が高いので民間でやれば官営の時よりも多くの雇用が創出される。この辺りが理解されていないのはとても残念な話だ。
そもそも、国が最も大きな金融機関と保険会社を運営しているというのは社会主義以外の何ものでもない。この決断が日本の競争力ある資本市場を後退させ、成長を阻害することになるだろう。
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