2009年11月16日月曜日

いずれにせよ十倍以上になる

世界主要国のGDPは未だに一位アメリカ、二位日本である。この順位も早晩中国が日本を抜き去り、アメリカをも凌ぐようになるだろう。中国が経済成長を遂げるシナリオをいくつかあって、一つは今の様に中国共産党が中央支配を守りながら進めていくというもの。もう一つは中国が権力闘争の末に幾つかに分裂するというもの。一つのままであれば脅威だが、分裂すれば力が弱くなるから大したことはなくなるというのは早計で、分裂すれば互いに競争してより早く大きく成長する可能性がある。

成長は「余地」があるところにしかない。戦前、ヨーロッパ各国が、日本が国外に進出を繰り返したのは当時の産業モデルや経済モデルでは土地や資源が成長には不可欠だったからだ。しかし、戦後に省資源国家日本の成長を目の当たりにしたヨーロッパ各国は植民地政策の無意味さを悟り転身を遂げる。

戦後の植民地解放は資源を格安で手に入れるよりも資源を生む国と取り引きをする方が経済成長につながると分かったからだ。アメリカの戦後の繁栄の半分くらいは日本のおかげだ。でも日本はアメリカが独占したので中国はそうはいかないと列強は熾烈な競争を繰り広げる。

中国の繁栄を欧米各国が歓迎するのは未開拓の荒野が広がっているからだ。中国が発展し、購買力のある消費者が増えて、欧米各国が企画した商品を買うことで彼らは潤う。

中国が一つであれば、その成長は比較的緩やかだが、分裂すれば成長は加速される。欧米各国が中国に干渉するとすれば、この部分だろう。欧米自体に成長余力が限られる以上、中国に干渉して成長を促進する誘惑に駆られるだろう。その時に巻き込まれて割を食う立場にはなりたくない。

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