2011年1月17日月曜日

仮に日本が破綻しても“大連立”に反対する

菅第二次改造内閣に自民党の枢要を担った与謝野氏が入ったことで、彼を橋渡しとする所謂"大連立"を待望する声が聞かれる。改造前から識者の中でも大連立を唱える人もいるし、彼の大新聞の主筆は熱心に働きかけている。しかし、敢えて言う。

「譬え、日本が破綻しようとも大連立には反対する」

反対の理由は「人は満腹になってもお菓子に手を出すもの」だからだ。空腹を満たすという当初の目的が果たされても、そこにお菓子があれば手を出してしまうものだ。「自民党」は「防共」「社会党対策」の為に"大連立"から合併に至った。それがソ連崩壊、中国の転向と目的が果たされても合併したままだった。

あまつさえ、社会党を保守対抗馬としておだてあげることで、その延命に協力した。自民党という一種の「一党独裁体制」は戦後日本を共産革命の浸透から守り、敗戦から素早く立ち直るための「方便」に過ぎなかった。それが「戦後は終わった」と言われても維持されたのは、自民党という共同体が権力を手放したくなかったからだ。それは小沢一郎の「反乱」によって崩壊するかに見えたが、自民党という共同体を破壊したのは小泉純一郎という奇才の登壇まで待たなければいけなかった。

"一党独裁"自民党支配が終焉を迎えた今、日本は改めて多党政治—民主化—に進まなければいけない。"防共"を理由にした保守合同や戦争を理由にした翼攅会政治の再来は民度の成熟を妨げるだけだ。「たちあがれ日本」は保守理念の旗を掲げた。「みんなの党」はリバタリアンに近い。自民党と民主党はどちらもコミュニタリアンとリベラリストが混在していて有権者の選択を妨げる。

日本経済が破綻に直面して危機だからというのは理由にしてはならない。私たちは再び民主化の機会を逃す。第一、敗戦という最大の破綻を短期間で克服した私たちが、財政破綻程度を恐れてはいけない。それよりも二度と破綻しない社会をどのように再建するかを徹底的に議論して選択するべきだろう。

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