「パスモ、静かな再発進」
鳴り物入りで発売を開始したパスモが販売を定期に限定してから5ヶ月。やっと発売再開にこぎ着けた。
『2008年3月末までに5百万枚売れれば上々と見込み、事前に4百万枚を用意したが、実際には初日の3月18日に51万枚売れたのを皮切りに、3週間あまりで約3百万枚を突破。』
見込みが甘かったと言えばそれまでだが、Suicaの売れ行きが如何に期待外れだったのかが良く分かる。
パスモはSuicaと同じ機能を持つが、JRと地下鉄及び私鉄各社の相互利用が出来るようになったのはパスモが発売されてから。それまでのSuicaの売れ行きはJR限定の機能でのことで、利便性は悪かった。パスモが発売されてから相互利用出来るようになり、パスモは相互利用出来るカードの象徴になったが、実はSuicaでも同じことが出来るのにパスモほど売れなかった。
パスモのプロモーションの上手さもあっただろうが、それだけではない。
Suicaとパスモは定期として利用する場合、条件がある。Suicaなら発着駅のどちらかがJRの駅でないといけないし、パスモなら私鉄や地下鉄の駅でないといけない。だが、この制限はJRと私鉄や地下鉄の性格を無視しているのではないか。
JRは元来、旅客の幹線輸送を担う。都市間を結ぶ動脈だ。それに比べ、私鉄や地下鉄は住宅や職場の近くまで細かく移動するための生活の足。
なので、近距離だと私鉄や地下鉄だけで通勤する場合が多いし、長距離でもJRの駅から私鉄や地下鉄に乗り換えて、発着駅はどちらもJR駅ではないというケースは多い。
これはJRと私鉄や地下鉄の性格の違いだ。だから、パスモに人気が集中するのは容易に予想出来た。パスモだけが相互利用出来るという誤解とSuicaとパスモの利用制限が招いた結果なのだと思った。
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