2008年5月23日金曜日

品質とコストのトレードオフに敢えて反論してみる

日経オンラインで「品質とコストのトレードオフ」に関する記事を読んだ。先日の東京三菱UFJ銀行のシステム統合トラブルを擁護する内容になっている。

曰わく、「障害が当日中に復旧する程度だったのだから、大した障害ではない。公共交通機関のトラブルで遅れたから乗客が文句をいうことはないだろう」「費用対効果の問題。僅かなエラーを見つけて修正するためにかかるコストは、いざそのエラーが発覚して修正するコストより高い」「大した障害ではないにも関わらず騒ぎ過ぎるマスコミの方が問題」ということだ。

確かに、銀行のシステムは巨大かつ複雑で、全てのエラーを見つけだす為のテストですら膨大なコストがかかる。更に、今の開発方法では理論的にも完璧なシステムを開発することは物理的に不可能だ。それよりも動かしてエラーが発覚した時に対応した方が、結果的にコストは安くなる。

しかし、これは今現在の開発方法をとった場合の話。この数年間、銀行やそのほかのシステム開発プロジェクトで度々障害が発生し、そのたびに騒がれてきた。なのに再び障害が発生したことに、システム開発プロジェクトのやり方そのものが問われているのではないかと思うのだ。何か良いアプローチがないものだろうか。

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