2009年2月24日火曜日

生産性とオフィス環境

「ピープルウェア」(トム・デマルコ、ティモシー・リスター共著)より
"プログラムは夜作られる"

オフィスにいると仕事が捗らないという話を良く聞く。休日や早朝、就業時間後の夜などに仕事をする方が仕事が進むというのだ。僕はどれだけ周りが騒がしかろうが目の前のことに集中出来たりするのだが、仕事を終えてオフィスの物音に耳を澄ますと驚くほどうるさいことがある。
総務部などのオフィス管理者は集中出来ないのは個人のせいだというが、周りの音が気になるかどうかは多分に先天的なものであって本人にはどうしようもないことだ。特に、頭の中で論理を組み立てたり、文章を書いたりする様な職種では騒音や雑音によって集中が妨げられると生産性は落ちてしまう。
ところが、オフィス管理者や上司というものはそういうことに対する理解は示さない。特に、静かだと活気がないとか、隣の席との距離が知的生産性に関係ないと信じている場合は非人間的なオフィス環境を平気で提案する。
かくして、残業は増え生産性は落ちる。トリンプの吉越元社長が"がんばるタイム"という電話も会議も私語も禁止という時間を作ったのは慧眼である。「ピープルウェア」で紹介されている例で言えば、所謂"フロー状態"に入るまでに15分必要だとすれば、2時間のがんばるタイムは生産性の105分の時間を生むことになる。一般的に仕事で机に向かっている時間は4時間程度だとすると、環境係数=E係数は0.4を大きく超える。

オフィスワーカーの生産性はあまり科学的には検証されないことが多いがE係数は積極的に測定し改善に活用した方が良いと思う。

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