2009年2月23日月曜日

成功したことをどんどん人に話そう。ただし、ひけらかさないこと。

デイル・ドーテンの「笑って仕事をしてますか?」より

"成功したことをどんどん人に話そう。ただし、ひけらかさないこと。"

「自慢話」をするのは結構難しい。人に話をする時に難しいのは聴衆の共感を得るのが難しいからだ。独り言は聞いてもらうなら別だが、通常は聴衆に納得してもらったり、頷いてもらったりしなければならない。最近の漫才で所謂"あるあるネタ"が流行るのは当たり前なのだ。

逆に失敗談は話しやすい。世間には失敗した人は多いので失敗談には必ず共感出来るポイントがある。以前「効果的なプロジェクトマネジメントの実践」というテーマで一時間の講演をした時に聴衆が一番盛り上がったのは「こういうのが原因でプロジェクトって失敗するよね」という"あるあるネタ"だった。しかし、成功の経験ってなかなか無いから自慢話は斜に構えて聞かれてしまう。

"ひけらかさない"というのは斜に構えている聴衆を引き込まないといけないということだろう。それには聴衆に質問をすると良い。質問に応えた聴衆は、その時点でプレゼンテーションの一部になってしまう。すると聴衆は講演者の仲間となって自分のことの様に話を聞いてくれる様になるだろう。

ただし、正解のある質問をしてはいけない。仮に間違っていると質問に答えてくれた人のモチベーションは落ちてしまう。くれぐれも「僕は正解を知っている」という態度は示さないことだ。

「正解のない質問をしながら成功した話をしよう」by 賢太郎

◆具体例
「大規模で複雑な失敗するリスクの高いプロジェクトに召集されたら君ならどう思う?」
「嫌だな〜って思うけど仕方ないよね。仕事だもん。」
「そうだよね。でも、不安があるのに無視すると雰囲気が悪くなると思ったんで、思い切って不安暴露大会をやったんだよ」
「へ〜っ。」
「不安暴露大会をやったら、君ならどうする?」
「個人攻撃になりそうだな。アイツが悪いとかあの部署が悪いとかさ。」
「そう。他人の批判をするだけの人もいたよ。他には人の課題じゃなくてプロジェクト自体の課題を言ってくれる人もいて、そういう人の意見を積極的に取り上げていったら余り個人攻撃をすることはなくなっていったよ」
「そんなものかな?」
「あと、最初に落とし所を決めなかったのも良かったんだ。会議とか打ち合わせって予定調和みたいなところがあるけど、そういう根回しを一切しなかったんだ」
「君のプロジェクトで同じことをやったらどうなるかな?」
「ん〜。そこまで上手くいくか分からないけど今より悪くなることはないだろう。なんたって、崖っぷちだからね。」
………

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