2009年10月16日金曜日

JALを倒産させよう

山崎豊子の「沈まぬ太陽」が公開される中、JAL再建が揺れている。週刊誌には早速「再建チームは"転売屋"」などというタイトルの記事が躍る。日本の"フラッグシップ"という呼称も躍るが、国営でもないJALに政府が必要以上に肩入れするのは問題がある。

"日の丸"航空会社を守るというのは政治家や官僚には一種の誇りを感じる場面なのだろう。だが、仮にJALが倒産したとしてどんな影響があるだろうか。航空輸送のニーズがある以上、JALに代わって、もしくは新生JALがそれを担う。全てではないが、雇用が失われることはない。外資に買収されて…という話にはそれで利用者が損をするという話にはつながらない。税金を注ぎ込んだ会社を外資に安く叩き売るのは売国奴と言われるが、税金を垂れ流し続けるよりはマシではないか。そう言うならば自分が買収すれば良い。

料金が安くなったり、利用者は得することが多いだろう。廃止される路線はあるだろうが、経済合理性から考えてのことだから、廃止を反対する人はニーズをかき集めてみせないといけないだろう。今やインターネットを介したテレビ会議システムの普及でビジネスニーズは年々減るばかり。個人ニーズも国内観光資源が元気でないので減る一方。国内路線に限れば、飛行機は鉄道にも高速バスにも勝てない。

でも、「100%雇用維持」の圧力、「ローカル線維持」の政財界からの圧力、「フラッグシップという実態のないプライド」の圧力でJALはすっかり参っている。

ならば、ここは一つ綺麗に見事に倒産させてみようではないかと思うのだ。

政権交代と同じく、企業の倒産は不採算なもの不合理なものを打ち破るキッカケになる。今までJALに注ぎ込んだお金は取り戻せないのだから、諦めて潰してしまうべきだろう。

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