2007年7月14日土曜日

新日鉄、ミタルと提携強化

新日鉄が最大の顧客である自動車産業への供給体制を整える為に、ミタルと提携を強化することとなったという。ミタルはインドネシアで起業した鉄鋼企業としては最後発の会社。買収を通じて、わずか20年で世界でも最大規模の鉄鋼会社になった。
鉄鋼産業は参入するには投資が大きく、付加価値の高い高級品はより参入障壁が高く魅力的ではないビジネスだと思われていた。ミタルも低級品を供給する会社で企業規模をここまで大きく出来るとは思われてなかった。それが同じような会社を国境を越えて次々に買収し、規模を大きくすることで調達力と供給力を強化して、それが競争力の源泉となった。日本の鉄鋼会社は高級品を生産する技術力はあるが、国内市場しか注目していなかった為に国際化した産業構造に対応出来ず、顧客の要望に応える為にミタルと提携するしかなくなった。
鉄鋼産業の競争力の源泉が技術力から国際的な供給力に変わったことがこの提携のきっかけだ。考えてみると他にも競争力の源泉が業界の常識から変えられるものは見つかるんじゃないだろうか。目を業界や日本の外に向けることが必要なのだろう。

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