2009年9月15日火曜日

日本人は「大きな政府」が良いと思っているのか?〜自民党議員の選択を予想する

民主党が大勝して二週間経過したが、まだ民主党政権は誕生していないという不思議な状況が続く。それも今週末までだが、この間に民主党が内紛で分裂したら面白かろうに…と考える僕は相当意地が悪い。

さて、民主党が所謂「大きな政府」を標榜して勝ったことで、日本人は左中間なんだと思う向きもある。ただ、同じポジションにいた自民党が大敗したことを考え合わせると、事はそう単純ではない。民主党のこども手当てや高速道路無料化が世論調査で思いの外支持されなかったのを見ると左中間だろうが何だろうが自民党を一回下野させようというのが有権者の選択だった訳だ。

自民党を止めてみるには民主党しかなかった訳で、だから社民党も国民新党も議席が伸びなかった。国民新党が郵政民営化反対を掲げて全く支持されなかったことを民主党は真剣に受け止めた方が良い。民主党も見直しを掲げていたが、郵政民営化自体に反対した訳ではない。民営化反対をした選挙では大敗を喫し、民営化反対を堅持する国民新党は議席を減らした。民意は「郵政民営化推進」なのだ。

そう。思ったよりも、日本人は「大きな政府」を望んでいない。多くの有権者は郵政問題を正確に把握しているし、高速道路にお金がかかるのを理解している。高速道路に憤慨したのは無料にならないことではなく、無駄遣いがあるからだ。

日比谷の「年越し派遣村」に入った派遣労働者は日比谷で年を越した人の2割だという。多くの派遣労働者は自分の力で未来を切り開いている。ワーキング・プアというが、残った時間を有意義に使うことを望む人の方が遥かに多いのだ。本当に国に助けて欲しいと思う人はどの程度なのか?

小泉首相が辞任して、安倍首相に交代した時には自民党の支持率は落ちてなかった。支持率が落ちたのは安倍首相が改革路線を修正したあたりからだ。次の福田首相は更に改革路線を修正する様に思われ、麻生首相に至っては「改革には本当は反対だった」などという始末。そう、自民党では改革は出来ないと有権者が思ったのが今回の惨敗につながった訳だ。

その点、民主党は「改革出来ないことが立証されていない」唯一の党である。改革の方向性は置いといて、一回くらい民主党に任せてみるか、というのが今回の選挙結果ということになる。

ここで民主党が民意を見誤って(その可能性は高い)改革路線、つまり小さな政府を否定し、自民党の次期党首が小さな政府を標榜したりすれば、来夏の参院選の結果は大きく変わることになる。

自民党の議員は過去の「大きな政府」をコンセプトにするのは諦めた方が良い。小泉ショックは自民党のコンセプトを様変わりさせた。「政治家が、官僚が国を正しく経営出来る」というコンセプトを。それが小泉改革の本質であった。

さあ、色づけは終わった。後はお気に入りの党に政治家は入りなさい。マニフェストなどというのはまだまだ後だ。

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