2008年2月28日木曜日

イージス艦に欠けていた公僕意識

イージス艦の民間漁船への追突事故は石破大臣の辞任要求を野党が突きつけるまでになっている。野党が不祥事に対して辞任要求を言い立てるのは常のことなので政府への影響がどれだけあるかは疑問。それよりも問題なのはイージス艦がこの事故を引き起こすに至った真因だ。

沈没した漁船の僚船の乗組員の証言ではイージス艦は混雑した海上を速度を落とすことなく直進していたという。海上を我が物顔に「そこのけ、そこのけ」と走る様は、江戸時代の旗本のようだ。実際、彼らは一朝ことあった場合には命を投げ出し主権者たる国民の生命と財産を守る。正に現代の旗本だろう。
だが、江戸時代でも旗本は主権者たる将軍には何をおいても服従した。だが、今回は。現代の自衛隊と江戸時代の旗本の違いは平時に優先すべき主権者がどこにでもいることだろう。だから自衛隊は常に公僕としての意識を持たないといけない。旗本よりも高い規律が必要なのだ。

現代の自衛隊は平時においてはなかなか尊敬されない。自衛官の自負心を維持するのは大変だろう。だが、その中でも高潔な意識を持たないといけない。そしてほとんどの自衛官はそれを持っている。今回の不幸な事故を教訓に自衛隊も防衛省も襟を正して欲しい。その姿を見て市民たる僕は彼らに感謝と尊敬を示したいと思う。

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