2009年6月22日月曜日

電力自由化でも結構不自由

日経新聞朝刊の5面の社説に電力自由化についてかかれていた。

会社で電力会社を変えるという話があった。オリックスが総務部に持ちかけたのだ。結果的には東京電力のままで、オリックスの提案は受けられなかったのだが、その経緯を。

当初電力会社を変えるということで社内ではリスクを言いたてる声が大きかった。曰わく、

「電力供給が不安定になったらどうするの?」

オリックスからの提案は以下の様なものであった。オリックスがリースしていた発電機があって(工場などで停電に備えて設備されていた自家発電設備)、リース終了で保有しているもので発電し、それを企業に売るというもの。発電設備の償却は終わっているため、発電のための費用は燃料費と保守費だけ。なので東京電力より安く電力供給出来るという。

実際にはオリックスの発電所から会社に直接送電される訳ではなく、オリックスが電気を東京電力に送り、東京電力は今までと同じように僕の会社に電気を送る。電気は東京電力に送られた時点で一緒になるから、実態としてオリックスの電気が送られて来る訳ではない。だから、供給不安定になることもない。

総務部の担当者の理解不足と説明不足のせいで無用な不安がおきたが、このことがオリックスの提案が却下された理由ではない。東京電力からオリックスに契約を変える為には電気メーターを変える必要がある。メーターの付け替えには一時的に停電が発生する。大抵のものは大丈夫なのだが、社内に設置されているホストマシンだけはどうしてもダメだ。ホストメーカーのサポートが必要になり、その費用で電気料金の値下げが吹っ飛んでしまう。

問題はメーターを付け替えなければいけないということ。メーターのデータは送電線を通して東京電力に送られるはずだが、そのデータはオリックスに開示されないらしい。そのためオリックスがメーターをつけて測定するということになるらしい。

独占企業が自己のリソースを参入障壁にするというのは良くある話だが、自由化の実態をまざまざと知った。結構不自由な自由化の話。

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