2007年3月16日金曜日

堀江氏一審判決

堀江被告、懲役2年6カ月の実刑判決

今日は朝からこの判決に全国的に興味津々。TBSは特番を組んでライブドアの旧幹部を出演させて熱心に報道していた。9時を過ぎた頃に判決の主文が読まれたらしく、各社が次々と報道。「2年6ヶ月の実刑(つまり、執行猶予なし)」という結果は表面上は穏やかに受け止められていたとも思う。

面白かったのはテレビ朝日の番組にコメンテーターとして出演していた橋下弁護士のコメント。「司法に失望した」。彼の主張では執行猶予がつかないことが信じられないというものであった。再犯の可能性があるのであれば執行猶予をつけない判決もありうるが、虚偽記載という程度の罪に対して実刑ということは行き過ぎで、明らかに判事が世間におもねった結果だというのだ。

このコメントと磯崎氏の投稿を合わせて考えると面白い。

堀江氏判決について考える

磯崎氏はライブドアと日興を比較して、

あえて説明をつけるとすれば、両社の違いはやはり、取締役や監査役が「善管注意義務をどの程度果たしていたか」(適切なコーポレートガバナンスが形成されていたかどうか)の違いではないでしょうか。

と言っている。つまり、堀江氏には経営者として「不作為の罪」があり、それに対して「2年6ヶ月」という判決は妥当であったのでは?ということだ。ライブドアの取引スキームは金庫番である宮内氏以外関知していなかった可能性が高いが、それを知ろうとしなかった堀江氏にも一定の責任があるということだ。ならば、今回堀江氏は「経営者としての善管責任を果たす」ことについて深い理解をしたのであるから、尚更再犯(不作為の罪の再犯?)の可能性は薄いということになる。すると橋下弁護士が言うように実刑判決は不当だったのではと思う。

ホリエモン実刑かー

でも言われているが、宮内氏に執行猶予がついたら堀江氏は浮かばれないってことになる。恐らく、堀江氏は控訴するだろうから今後の動きがどうなるかは楽しみでもある。

友人は「弁護士も情けない。落とし所ってものがあるだろう。」と言っていたが、僕はこの弁護士は被告の利益を守るために行動したのだと思う。堀江氏は再三言っているようにこの事件は「事実無根で、冤罪である」と信じている。すると弁護士としては最優先するべきなのは名目上の無罪を得ることである。だから、徹底的に抗戦したということなのだろう。堀江氏は無罪以外の結果には納得しないだろうし、裁判官が「改悛の様子が見られず」と言ったそうだが、それは当たり前のことだ。事実無根と思っていても反省の弁さえ述べれば執行猶予をつけるというのか。まるで映画の様な話。この一点だけでも橋下弁護士ではないが「司法に絶望する」。

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