2008年5月7日水曜日

削減、削減、削減、削減、削減

ニッポンの借金はこう減らせ! 「法人減税」が財政赤字削減のキモ

という記事より。

竹中平蔵氏が

私も最終手段として増税は必要だと思っていますが、順序としてはやはりまずムダを削減し、経済を活性化し、その上で必要な増税をすべきだと思います。こういう方針を政府が明確に打ち出して説明すれば、国民も納得するはずです。

企業の体力が落ちれば、結局従業員の所得も減るので、やはり法人減税を優先すべきでしょう。ズバリ言えば、法人税を半減すべきです。まず欧米並みに30%まで下げ、最終的にはアジア諸国並みの20%まで下げる、という心意気が大切です。

と言っている。
こういう風に考えていたら、さぞかし小泉政権ではやりづらかっただろうなと思う。今、政権内にいたら袋叩きだろう。現政権は財政出動が優先で減税なんていうものはあまり考えていない。
国民にとって不幸なのは、小泉改革の惰性が残っている中で族議員が復活してきていることだろう。財政支出の総額は小泉改革のために下がっているにも関わら ず、族議員が復活したことで道路など特定の分野の支出が大きくなってしまった。その皺寄せは族議員が活躍しない利権が少ないところに行く。といったとこ ろ。

竹中氏の言う、1)効率化による歳出削減努力、2)企業税率引き下げ、3)消費税率引き上げは同意できる案。しかし、最初の歳出削減努力が政府自体に「足 りない」と思われているところが問題。そもそも、現時点でも税収以上の支出がある。中でも、「セーフティーネット」に関わる部分に弱みがあるところが厳し い評価を与えられる所以だ。
福利厚生分野での「削減」が最初に槍玉に上がってしまったが、本当は道路や鉄道などの公共工事分野の削減が争われてしかるべき。なぜなら、この分野の支出 の割合が高いから。企業における効率化取り組みも同じだが、「最も大きな」数字から手をつけるのが良い。小さな数字から手をつけても効果はあまり無い。
効率改善をする場合、身近なところから手をつけることが多い。それから大きなところに手をつける。しかし、身近だろうが大きかろうが効率改善の手間はあま り変わらない。ともすると、身近な改善で「達成感」を覚えてしまい大きな改善に至らないことも多い。だから、手をつけるのは大きなところの方が良い。サー ビス業では「人件費」がほとんどなので給与体系や労働効率、残業の評価や見直しを進める方が良い。
公共工事では「入札金額」などが目立つが、一番注目しなければいけないのはサービス業である行政窓口業務の効率化だ。官公庁や自治体は年度で活動している ため、どうしても年明けから年前半が忙しく、年後半は暇になる。企業であれば、この期間に新商品の企画や開発などが進められるが、官公庁ではただヒマにし ているだけ。行政サービスの効率化や新しいサービス企画などは考えられない。恐ろしく無駄な話だ。

一連の年金不祥事で払い込み実績のデータ化が労働組合の反対によって日常業務でちゃんと実施されなかったという話を聞いたとき、暗澹たる気持ちになった。 コンピュータが導入されたときに「45分ごとに休憩をいれる」ということが労働者の健康のために決まったそうだ。良く分からないのは休憩時間も給料が支払 われている事実。拘束されるから支払わなければいけないのだとか。そこには労働者の「権利」や「都合」はあっても、行政サービスを受ける国民の「権利」や 「都合」というものは全く無視されているということになる。しかも、年金記録の電子化はそのほとんどを電算処理会社に外注したにも関わらず、その分の職員 人件費の削減はされていなかった。
行政サービスにはこの種のムダが本当に多い。それを助長してきたのが「労働組合」。彼らには労働者の権利という言葉はあっても、サービス受益者の権利とい う言葉は無い。労働組合の言うとおりの条件で職員を雇用したとすると、恐らく割高になって外注化したほうが良いに決まっている。しかし、そうすると職員側 は自分達の仕事が減るから外注に出すなと言い出す始末。コースの定理を持ち出すまでもなく、組織内で割高になってしまうならば外注に出すというのは当然の こと。それが嫌ならば、外注より割安でやるしかない。恐らく、労働組合も知らぬ間に「高コスト」になってしまっていることが沢山あるのだろう。

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