2008年5月7日水曜日

日中共同声明記事のヘッドライン

再送:東シナ海ガス田開発問題で大きな進展、解決にめど=日中首脳会談 (朝日新聞)
日中共同声明を発表 ガス田開発問題など解決への道筋明示できず 日中首脳会談 (産経新聞)

日中共同声明の記事を比較すると面白い。朝日新聞と産経新聞では評価が正反対だ。

朝日新聞は記事の冒頭で

福田康夫首相と胡錦濤・中国国家主席は7日、会談終了後に共同記者会見に臨み、懸案の東シナ海ガス田開発問題で大きな進展があったことを明らかにした。福田首相は「長年の懸案に解決のめどがたった」とし、胡主席も「問題解決が見えてきた」と表明。

と書いている。発言を取り上げて、事実を伝えているだけの様に見えるが、朝日新聞がこの共同声明を良い結果が出たと評価していることが伺える。
逆に、産経新聞では

福田康夫首相は7日、中国の国家元首として10年ぶりに来日した胡錦濤国家主席と首相官邸で会談し、「戦略的互恵関係の包括的推進に関する日中共同声明」 に署名した。声明では、両国首脳が毎年相手国を相互訪問することや環境分野や食の安全などでの協力をうたったが、東シナ海ガス田開発問題や中国製ギョーザ 中毒事件といった懸案は会談で早期解決を確認するにとどまり、具体的な道筋を明示できなかった。

と辛口な評価をしている。具体的に踏み込んだ内容は話し合われずに儀礼的なものだったと低い評価を下している。

今後の推移がどうなるか分からないが、共同声明での発言を言葉通りに受け取ってはいけないだろう。資源問題では「協力」などと甘い言葉を並べているが、こ の問題の本質は「領土問題」である。排他的経済水域の問題であって、軽々に協力とか譲歩とかしてはいけないことだと思う。それを中国がゴリ押ししているわ けで、日本も強い態度で押し返さないといけない問題だと思う。
ギョウザ問題などは中国の産業界の生産品質の問題であり、それは中国側が改善できれば日本の公共セクターだろうと民間セクターだろうと輸入再開に踏み切 る。日本の「食」が中国にある程度依存していることがこの問題を政治問題化してしまっているのだが、政治問題から外してしまうべく日本側は努力したほうが 良い。具体的には食料自給率を上げるための国内農業生産量の拡大であり、そのための「農地解放」「農業規制緩和」だ。
今回の胡錦濤来日は日本にとって得るものは少なかったと思う。リップサービスで獲得できたのがパンダ寄贈という程度では何のための政治かと思う。

0 件のコメント: