2009年7月2日木曜日

衆院選に向けて色々

民主党がマニフェストを公開した。自民党は内閣改造と党人事の変更を検討しているのだとか。どちらも衆院選を睨んだ動き。都議選後にも解散か?という噂もあるそうで、政界は落ち着かない。

麻生総理は総理主導の人事で印象を変えたいと思っているらしいが、党内には抵抗がある。改造人事でポストを失うと選挙を戦えなくなるという思いもあるのだろう。特に現職者やその出身派閥からの抵抗は激しい。でも、それで総理の指導力が発揮出来ないとするなら、自民党は選挙に勝てまい。

(※というようなことを書いていたら、結果的に人事は閣僚の補充で終わってしまった。目玉の東国原知事入閣も(報道先行で、話が上がったかは怪しいが)、党首脳の異動も無かった。麻生総理の指導力が低下という評価は避けられない。当初から閣僚補充だけであったなら、麻生総理は報道を断固否定しておくべきだったし、そうでなければ断行すべきだった。党内実力者達も選挙を睨んでのことなら、表向きは反対しても、強行させて麻生総理の株を上げるべきだったと思う。この騒動で選挙結果はますます分からなくなってきた。)

日経オンラインに選挙における公約と投票行動についての考察が掲載されていた。曰わく、

「人はプラスのリスク(利得)は高く、マイナスのリスク(損失)は低く見積もりがち」
「公約実現の可能性は実績で言えば自民党の方が高く、民主党の方が低い」
「自民党と民主党が共に利益誘導的な公約を掲げると自民党に支持が傾く」
「自民党と民主党が共に増税などの公約を掲げると民主党に支持が傾く」

つまり、利得を得る場合は確実に利を得るために自民党を支持し、損失を被る場合は可能性が低い民主党を支持するというのだ。このエッセイは採用しているコンセプトは間違っていないのだが、肝心の実例への適用で間違っていると思う。

A)100%の可能性で一万円が手に入る
B)1%の可能性で百万円が手に入る

この場合、多くの人はAを選ぶ。

A)100%の可能性で一万円を失う
B)1%の可能性で百万円を失う

この場合、多くの人はBを選ぶ。

これに選挙公約を適用するのであれば、

自民党)80%の可能性で国家予算が10兆円増加する
民主党)20%の可能性で国家予算が40兆円増加する

自民党)80%の可能性で国民負担が一万円増加する
民主党)20%の可能性で国民負担が四万円増加する

となる。この場合、利得と損失(予算と財源)は符合するので選挙の際に「やれ、財源がない」といった話しにはならない。だが、自民党のマニフェストは財源としての増税も、予算を増やす実績もあるが、民主党は「予算は増やさず、増税もしない」といっている。投票する側からすると民間に回ってくるお金の期待値は自民党より小さく、負担増加の期待値も小さいということになる。

実際の投票行動は理屈では推し量れないが、自民党が公共サービス拡充をアピールして勝つか、民主党が国民負担軽減をアピールして勝つか、といったところだろうか。

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