2009年7月23日木曜日

「予算の作り方」を講義する

今日は仕事の終わりがけに予算の話しになった。予算見直しをしていて、その実務をしている人と上司の話し。

予算担当者:「前期実績が90万円の科目があるとして、今期の予算は念の為に100万円にしようという予算の作り方ではいけないのか?」
上司:「90万円の実績が150万円の予算に対するものであれば100万円だって評価出来るから状況による」
僕:「…(絶句)」

僕は経営企画部門に所属しているので上司や同僚がこういう考え方をしていると困る。そこで即席講座。

経営者の立場である経営企画部門の予算に対する態度は、当然のことながら経営者と同じでなければいけない。経営者が考える予算とは、積み上げではなく目標からの分解でなければいけない。仮に、経常利益を3億円だとする(経常利益のターゲットは総資産額や純資産、自己資本などで決まる)。事業ドメインのポテンシャルや自社の実力、経営者の思いなどで売上が150億とすると147億円が事業運営で使えるお金ということになる。

そのお金を「効率よく使う」様に分配するのが経営者の考えるべき予算だ。それには当然ながら変動費率や固定費の水準などの条件があるが、147億の使えるお金を何に重点を置き、何を削減して実現するかという経営者の意思を伝えるのが予算の役割だと思う。その枠の中で創意工夫を凝らし、時には経営者の目標を上回る予算を立案するのが事業担当者の責務となろう。

もちろん、積み上げた予算…というより「予定」あるいは「成り行き」は必要だ。予算と成り行きには差があるもので、その差を埋めるのがビジネスパーソンの仕事というべきだろう。両方ないと改善の為のモチベーションも出てこないが、経営企画部門であれば経営者の目標としての予算に責任を持たないといけない。

という話しを極簡単に話した。まあ、「会計システムなどの経営管理上の基幹システムの導入を業務現場からの吸い上げでやる」というのを「経営管理システムの導入はトップダウンでしか有り得ない」と話したばかりだから予算立案が積み上げ方式なのも当たり前ではある。これが経営の広い視野からの話が通用する様になれば、だいぶ変わっていくのだと思う。

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