2009年8月10日月曜日

最後に動くのはいつも政府

誰の著書だったかは忘れたが、変化への対応速度で最も遅いのは「政府」だと書いてあった。逆に最も早いのは個人。なるほど・・・。

変化が始まったことを認識するのは変化に晒されている個人ということになるようだ。次に変化を察知するのはコミュニティだろう。地域コミュニティもあれば、社会的コミュニティである企業もある。企業自体が対応するのは個人に対して若干遅れてしまう。ベンチャーであれば殆ど個人と同時に変化するかもしれない。ベンチャーキャピタルなどもそうだろう。
中小企業はベンチャーには遅れるだろうが、大企業ほどのろのろはしていない。のろのろしている中小企業は生き残れないから、生き残っている中小企業は押しなべて変化への対応が大企業より早い。大企業はのろまではあるが、銀行には負ける。銀行は変化が確実になってからしか対応しない。
銀行に送れて自治体や政府の機関が動き出す。それでも政府自体は全く動きを見せないだろう。政府を構成している政治家も個人としては変化に対応していても、集団としての政党はなかなか変化しない。

日本で見てみると、消費や雇用における変化は真っ先に消費者や労働者が反応する。民間企業が動いた後に徐に金融機関や政府が思い腰を上げる。20世紀末のバブル崩壊の後始末は政府と銀行の不作為によってずっと残り続けた。これにけりをつけたのは政界の鬼っ子、小泉純一郎が委任した竹中平蔵だ。政界からは批判が相次いだが、財界からは高い評価を得たのは政府の変化を企業に追いつかせたからだろう。
批判は政府や官僚、政治家からだけではない。政府が国民から徴税するのは「搾取」であるとみなす無政府主義的な政党や知識人からも批判の火の手は上がった。政府すら動くのに動かない集団がここにいる。

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