2009年6月12日金曜日

不況の中でIT投資が必要なワケ

鉱工業生産の調整が下げ止まり、日経平均も期待感から上昇に転じ一万円台を回復した。マクロには不況脱出の糸口が見えて来たが、消費はなかなか伸び悩んでいる。今年の冷夏の予想も現実になれば消費を抑制する要因となろう。

IT関連の投資は減少の傾向にある。経営者や財務担当者からみると、IT関連費用は無駄に見えるらしい。確かに便利だが、人に出来ることに何故こんな巨額の投資をしなくてはいけないのか、と。システム投資をやらず、人がやるままだったら雇用も維持出来る、と。

だが、彼らに見えているのは目の前のことだけだ。今やっていることを変えずに、ただ皆で耐えるだけで何が変わるというのか。見えざる人ならぬ者の力で事態が魔法の様に変わるとでも思っているのだろうか。

事態を変えるのは、常に自分自身だ。他人を変えることは神ならぬ身としては不可能だ。出来るのは自らが変わることだけだ。変わる、つまりイノベーションだ。

イノベーションにはいくつかの類型があるというが、共通しているのは「イノベーションは既存のものの新しい組み合わせ」だということだ。社内のリソースを様々に組み合わせて試してみることだ。それには最も高価な"人"というリソースを今やっている仕事から引き剥がさないといけない。今の水準を出来るだけ損なわずに。

つまり、「人に出来ること」の中から「ITでも出来ること」をITにさせる様にするのだ。そうすればリソースをイノベーションに向かわせることが出来る様になる。

不況だからこそ、ITに投資するのはこういう理由だ。

0 件のコメント: