2007年11月26日月曜日

こんなM&Aは失敗する

企業の成長に積極的に利用される様になってきたM&A。

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でも、「M&Aで失敗した」という話は後を絶たない。

M&Aで失敗するのは「企業文化の統合失敗」と「過剰なシナジーに対する期待」があると思う。

経 営改革などの場合もそうだが、変革に対する過度の期待は利害関係者は持ちがちだ。しかし、思ったほどの効果はないというのが大方。驚くほどの改革があるの であれば、そんなものは改革があろうとM&Aがあろうと可能だろう。多分、変革やM&Aはとても負荷が高い。一時的には損失も出すだろう し、仕事も増大する。そして、それを乗り越えたときに出てくる効果は大抵の場合は何もしなかったときよりも「ちょっとだけ」良いという程度(本当は財務的 な面や利益構造の強靭さなど大きな効果が出ているところは絶対にある)。

だから、期待が大きすぎるM&Aは失敗に終わることが多 い。逆に批判が多ければちょっとした成功が大成功に見える。日産の場合はちょっとした成功(ちょっと黒字が出ただけ)でV字回復と言われる。考えてみれば 順調な成長が出来なかったのを成長できるように整理したってだけの話。それを大きな成功に演出した日産の手腕が賞賛されるべきだろう。

企業文化の統合は難しい。一般的にM&Aでは一方が他方を救済するという形になりがちだ。なので、力関係のバランスがとれず、統合というよりも吸収という形になる。すると社内の軋轢は最高潮に達し、それをうまくコントロールできないと破綻してしまう。

そ して、もう一つ。M&Aが失敗するのは「救済合併」が多いからだ。例えば成長期にある企業が「ガバナンス」や「顧客」「資金」を得ることと引き換 えにM&Aによって他の企業の傘下に入るということがあまりない。特に日本ではまれな気がする。逆に言えば、そのことによって成長の機会を逸して いるケースは多いのではないだろうか?

これからのM&Aでは戦略的に調子の良い(スマッシュヒットを打った)アーリーステージの企業を規模が大きくてガバナンスのしっかりした企業が買収するということがもっとあって良いと思う。そういうM&Aの方が成功の可能性は大きいだろう。

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