2009年6月18日木曜日

地方分権と市町村合併を関連付ける“愚”

日経新聞 6月17日 3面
「市町村再編 ひと区切り 平成の大合併、今年度で終了」

1999年から始まった市町村合併。結果的に市町村は全国で4割減り、財政基盤が強化されたと政府は成果を喧伝する。しかし、行政のスリム化は果たせず、経常収支が悪化しているのだそうだ。今あるものを止めることが如何に難しいかが良く分かる。スリム化するためには驚くほど強力な抵抗を押さえつけてリストラを断行しなければいけない。それが出来るものだろうか?
市町村合併は地方分権の受け皿作りとして与野党ともに更なる合併を望んでいるという。だが、「なぜ地方分権と市町村合併が関連付け」られるのだろうか。地方分権を進める為には自立した経済単位を構成する、ある程度の大きさの自治体が必要なのだそうだ。果たしてそうだろうか。
自治体が分権に耐えられるかどうかは自治体の経営の工夫にかかっている。どれほど大きな自治体でも産業が充分に発達していなければ自立は出来ない。北海道や沖縄が未だに「開発途上」(開発庁があるんだ)なのは広さや人口ではなく如何に"売れる"産業が重要なのかということを表している。
自治体はそれぞれの歴史や偶然、あるいは政策によって発展を遂げてきた。小さくとも自立している自治体もあるし、大きくともやっていけない自治体もある。だが、栄枯盛衰は理。全てが永遠に繁栄し続けるということはない。
だから、政府が出来ることは精々自治体の競争を促す程度なんだろう。助成金を餌に人を操ろうとするのはいい加減止めた方が良い。

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