2009年6月18日木曜日

外需依存ニッポンを疑う

日本は外需型か?というのは非常に大きな命題だ。僕は実は日本は内需型の経済構造を持っているのではと思っている。日本の人口は今年を境に減少していくという。しかし、人口構成を見てみると、消費意欲が旺盛な64歳までの所謂現役世代の人口が減少に転じたのは平成元年前後。つまりバブル崩壊の直前に消費人口の中心は減少傾向に陥っていたわけだ。それに金融政策があいまってバブル崩壊後に経済が復調するまでに10年を費やした。
すると実は日本の経済成長は1億を超える旺盛な消費意欲をもった消費者に支えられた「内需型」の経済構造であったのではなかったかと思うのだ。現役世代が減少に転じたころに始まったのが、中国などの国外への製造拠点の移転。これは労働人口の減少によって高騰した国内労務費を避けるために製造業が国外に脱出したと見るのが正解で、国外に脱出した分、国内の労働需要が減少したので労働者の給与が上げ止まることになった。しかし、給与水準が高かったのは高給取りの団塊世代が職にしがみついていたからで、メディアで騒がれるほどの年収を得ていた人は労働者の中心である30代までにはほとんどいなかったのだろう。
とすれば、年齢を重ねるだけで異常な高給をとっていた団塊世代が引退していくこの数年は平均給与は下がっていっても、実質的な給与水準は変わらない。ということは、商品価格が下がっていく現在の傾向は、これまでの商品価格が歪な消費者の収入に応じていただけで、今の商品価格が妥当な水準であると見ることも出来る。とすれば、日本はいよいよ本格的に「外需指向」の産業構造を成り立たせなければいけなくて、そんな時に実態にそぐわない「外需依存ニッポン」に踊らされて内向きの政策を打ち出しても意味がないと思う。

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