2009年6月18日木曜日

弟の敵は兄ちゃんがとる

昨日行われた党首討論の話。
鳩山民主党代表は政権を取った暁には西川日本郵政社長を解任すると表明した。「かんぽの宿」問題への対応が理由としているが、入札の過程に明確な疑惑があるわけでもなく、ただ世論がそう言っているからでは政治家としての見識を疑われる。弟が事実上の更迭に追い込まれたのを兄が敵を取ると言っているよいなものだ。
世論を追い風にしているのは他に理由がないからとも言える。世論が西川退任に賛同しているのは設問が「西川退任に賛同出来るか」となっているからだ。これほど報道情報が偏向していると世論は正確な判断は下せない。例えば、西川続投を決めた経営委員会を支持出来るかとすれば、また違った結果となろう。
日本郵政は株式会社とは言え国が株式を全て保有する会社だから国有法人と同じように政府や国会が社長を決めるべきという意見がある。しかし、民営化を前提とする以上、最も尊重されるべきは株主総会の決定である。日本郵政の株主は日本政府であり、その代表は首相であり代理人は財務相だ。それが紆余曲折はありつつも続投で決したのだから総務相は従うべきだった。
日本の政治上の決断は首相が行う。各担当大臣は首相の決定に従うものであり、従えないなら更迭されるか自ら辞任するしかない。内閣の中で首相は唯一選挙によって選出された人であり、その判断が最も優先される。担当大臣は首相に選ばれた人であって、その権限は首相に依拠する。
兄ちゃんは敵打ちに熱心にならない方が良い。西川退任はマスコミ受けや郵政職員受けは良いが、決して国民のためにはならない。そもそも郵政民営化は郵便局が何故かやっている銀行や保険を民間に解放するのが本旨だ。良く民営化されたら田舎の人口の少ないところには銀行もないのだから不便になるというが、それは逆で郵貯があるから民間銀行が出店しないだけのことだ。今は安価にATMを設置出来るし、人口が減る中で口座を増やしたい銀行はきめ細やかなサービスを展開している。
民営化されて窓口のサービスが悪くなったと言うが、これは郵政職員が客に迷惑をかけながらボイコットしているだけで、責められるのは職員の方だ。もちろんサービス低下しないように指導する責任は社長にあるが、サービスが悪くなったというなら民営化を責めるのではなく窓口の職員を責めてみてはどうだろうか。

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