2009年6月19日金曜日

低価格ブランドがますます増える

「ナルミヤ、低価格ブランドを百貨店向けに投入」
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20090619AT1D180BQ18062009.html

「子供服大手ナルミヤ・インターナショナルは8月末、主力の百貨店で低価格の新ブランドを投入する。女子小中学生向けで従来より30〜60%安い。百貨店でも消費者の低価格志向が強まっていることに対応する。大人と同じように最新の流行を取り入れ、ファッションに関心を持ち始める10代女子に売り込む。」

年頃の娘をもつ家庭には嬉しいニュースだ。昨日の投稿でも書いたが(http://blog.goo.ne.jp/kenta_f0219/e/cae7d0c02226e39836f717bd98b2294d)、日本の小売商品の価格はこれまで給与所得者の歪な所得曲線によって高めに推移してきた。日本のサラリーマンの給与水準は20〜30代は低く、40代以上は高くなっていて、所謂団塊世代が多い時期には総所得が高いため消費も旺盛であった。団塊世代が40代になると企業はそのコスト増に対してより高価格な商品を次々と世に送った。だが、そんな高価な商品は売れなくなり企業業績が傾きだす。勿論、バブル崩壊という事件もあったが、それも団塊世代の高給に支えられていたのだから歪さがゆり戻されたときに企業業績が悪化することは目に見えていた。企業は次々と給与水準の見直しをはかり、よりフラットな給与体系が出来上がった。
この給与体系は40代の期待された収入を押し下げることになり、一気に消費は冷え込みバブル崩壊の余波が長引く結果となった。しかし、企業はそれに反応して商品価格を調整し始める。それはデフレといわれたが、実は適正価格への調整だったと考えるほうが妥当だ。百貨店は歪な給与体系の恩恵を全面的に享受した。そのため給与体系が是正され、小売価格が適正に調整されるとこれまでのマーチャンダイジングでは全く商品を揃えることが出来なくなってしまった。

ナルミナの選択はそのことを考えると正しいのだ。逆に今までの全ての価格を見直したものが勝ち残るということなのだと思う。

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