2009年6月19日金曜日

業界消失

総合電機メーカーという呼び方がある。日立、東芝、三菱電機の3社を指す。総合家電メーカーというとパナソニック、三洋電機、シャープのこと。総合エレクトロニクスはNECと富士通。それぞれに業界を形成し、しのぎを削ってきた。

だが、今やこれらのメーカーを一括りに「〜メーカー」と呼べなくなった。東芝は半導体と原子力発電に資源を集中している。三洋電機は電池に集中し、シャープと言えば液晶だ。富士通は情報機器の製造販売からシステム開発やソリューション提供に傾く。
いずれも得意な分野に資源を集中して総合の看板へのこだわりを捨てている。この数年で、企業それぞれの戦略が大きく変わってきた。同じ業界で右にならえで成長出来る時代はとっくに過ぎてしまい、同業と言えない程に企業は変貌を遂げてきた。特に電機業界は様変わりした。
週刊ダイヤモンドの特集は「百貨店」だ。ここ数年の合併で大きくは4グループに集約された。ただ、それぞれで戦略の方向性は大きく違う。高級さを維持してこれまでの物販中心からサービスに商材を変えていくところ。文化事業で集客を図ろうとするところ。徹底的な合理化を進めるところ。扱う商材の構成も店舗の基本構成も大きく違う百貨店が出てくるのだろう。

今はまだ百貨店という名称でつながっている業界も近いうちに消失するのだろう。ショッピングモールとの違いが分からなくなり、食品売り場も高級スーパーと同じになってくると全て「大規模小売店」とおおざっぱにまとめるしかなくなるかもしれない。

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