2008年12月29日月曜日

プロジェクトマネジメントについて考える

年の瀬である。

今年を振り返ってみるというには良い時期。

今年は4月頃から全社のシステム改善プロジェクトに参加をした。

最初はメンバーとして、フェーズが進むごとに役割が増してきて、今はPMOの運営をしている。

と言っても、なかなか腰は定まらない。

情報システム部門でも業務部門でもない経営企画部門の人間なので、最初は位置取りに戸惑った。

他のメンバーもオブザーバとしての役割を求めていたので取り敢えずはオブザーバとして参加した。

しかし、直ぐにプロジェクトの問題点について気付いた。

「当事者意識の欠如」

トップダウンのプロジェクトにありがちな状況である。

そこでファシリテーションしながら他の参加者に自分達の問題を認識させて当事者意識を醸成した。

プロジェクトにはコンサルタントが入っているのだが、彼らをどう使うかという点も重要だった。

コンサルタントとしては「成果が出ることをコミットする」という態度であるのは幸いだったが、当の我々側のプロジェクト参加者やプロジェクトオーナーに

「最終的に成果を出すのは自分達」

という切迫感が薄かったのでコンサルタントもあせったことだろう。

最初は「貴社主導の〜」と言っていたのがフェーズが進むごとに「当社が主体となって」と変わってきた。

ただ、結局は成果が約束できるかどうかは我々当事者側の責任だ。


何がいけなかったのか?という点についてよくよく考えてみる。

今回のプロジェクトでは「プロジェクト憲章」が曖昧になっている。

プロジェクトオーナーがコンサルティングの発注もプロジェクトの発足も行ったにも関わらず、その成果実現について手を尽くしていない。

場当たり的にはプロジェクトメンバーを調整したり、アウトプットを出すように詰め寄ったりということはするのだが、プロジェクトに対する諦めムードが漂い始めているのは良くない兆候だ。

プロジェクトオーナーがプロジェクトマネージャを指名しておらず、PMOとコンサルタントの間で候補を選出して決めているのだが、この選出方法では迫力に欠ける。

プロジェクトマネージャに如何にしてプロジェクトの成果に全力でコミットしてもらえるような環境を作るかというのは大事な話しで、何度かプロジェクトオーナーとも話し合ったがプロジェクトマネージャの指名には至っていない。

年明け早々にはプロジェクトオーナーとまた話し合わなければいけない。


プロジェクトマネージャの責任についてもなかなか難しい。

ラインのマネージャとプロジェクトマネージャは並立してしまっている。

プロジェクト参加者はラインとプロジェクトの間の優先順位問題にいつも頭を悩ませているようだ。

本来ならば優秀な人材の通常業務から引っぺがしてプロジェクトに専念させるべきだろう。

今のプロジェクトは会社のボトルネックの解消に関するものだ(システム改善や再構築には通常業務改善や事業改革などが伴う)。

それなのに他のボトルネックではない問題やプロジェクトに人が投入されてしまって、プロジェクトメンバーにとっては優先順位が分からなくなってしまっている。


一体、それほど大きくもない会社が一度に進めることの出来る大掛かりなプロジェクトというのはどれくらいだろうか。

一つないし三つが良いところだろう。

プロジェクトの整理が必要だ。

プログラムマネジメント?

いや。それほど大仰に構えなくても良い。

まずはプロジェクト予算の集約。

指示命令系統の整理。

優先順位の整理が必要なのだと思う。


ん〜。

こういうことを考えていると、自分にもっと権限があればと思ってしまう。