2008年7月11日金曜日

仕事ってナンだろう?

ということを最近良く考える。

仕事に対する価値観は多様だ。

時間換算をする人
アウトプットベースで考える人
組織のパフォーマンスを指標にする人

どんな働き方をしても、全ての人が等しく報われる様にしたいものだが、それは難しい。少し前に「成果主義」というのが流行った。アウトプットベースで評価するというやり方だ。上手くいってる会社もあれば、失敗したところもある。
失敗の原因は評価方法だけ変えて、働き方を変えなかったからだと思う。時間換算の働き方でアウトプットベースの評価は出来ないだろう。同じ会社でも時間換算の働き方とアウトプットベースの働き方が混在していると厄介だ。これは仕事に対する価値観が違うってことだから。

昭和初期まで日本には『サンガ』と呼ばれる山間部で狩猟や道具作りを生業とする集団がいたという。里人とは物々交換をする以外は決して交わらなかったそうだ。これは一つの知恵だろう。
農業は農作業にどれだけ時間をかけるかが重要だ。だから、サボることなく全員が労働力を提供する。しかし、狩りや道具作りは時間ではなくどれだけ獲物を穫り、道具を作ったかが重要となる。
だから、決して一緒には働かなかった。

同じように、仕事に対する価値観が会社と違うならば、そこで働き続けることは不幸だ。

小型にシフト

自動車業界の話。
業界の優等生トヨタが北米の工場で大型車ラインを中心に生産調整に入る。大型車の販売低迷を受けてのこと。有効な小型車ラインを持たないアメリカビッグスリーは尚厳しく、小型車が得意なホンダは絶好調だとか。
トヨタは厳しい状況とはいえ生産ラインの柔軟性があるので対応力が違う。ホンダは需要の底が堅い小型車低価格車に注力していたことが成功要因だろう。ビッグスリーはアメリカが国の威信をかけて守るかもしれないが、もしそうなら将来に禍根をのこすかもしれない。

タミフル解禁

日経新聞 7月11日 朝刊1面
「インフル薬タミフル『異常行動関連なし』厚労省10代に投与解禁へ」

調査の結果、異常行動とタミフルの投与との間には有意な関連はなかったという話。
では、タミフルが原因だと騒がれたのはなんだったのか。記事によればタミフルの投与があろうがなかろうが、39.5度以上の高熱では異常行動を引き起こすという。つまり、高熱を発している場合は患者から目を離すなということ。それがタミフルが原因と広く報道されたことによって、看病をする家族が間違った対応をしていた可能性はないのか?

皇居のタヌキ

日経新聞 7月11日 朝刊 38面
「タヌキの論文を天皇陛下が共著」

天皇陛下が皇居に生息するタヌキの生態を調査して論文を発表したのだそうだ。東京のド真ん中にタヌキが野生の状態で生きているとは知らなかった。航空写真などで見ると開発されまくった東京23区の中で、皇居だけが取り残された様に緑を保っている。少し離れて明治神宮の杜があり、昔ながらのね習俗が緑の維持に一役買っていることが分かる。
戦前に皇居を中心として点在していた緑は多くは宮家の敷地だった。江戸時代は御三家や大大名の屋敷。戦時下の混乱と戦後の宮家の廃止の中、かの堤義明の父親が敷地を買いあさりホテルを開発し、江戸時代から明治大正昭和初期を通じて守られた東京の緑は多くがコンクリートとアスファルトで埋められた。
世界でも、王族の邸宅が煌びやかさより自然との共生を体現しているのは珍しいと思う。日本人の心性は便利さより自然への畏敬が基にあるのだろう。僅かに残された居住スペースを有効に利用したり、狭い中で工夫して産業を興すのはそれがためだと思う。
無用な公共工事や山林の放置は"日本人らしさ"がない話だと思う。

2008年7月10日木曜日

報道レギュラー=>スキャンダル=>降板=>バラエティー=>報道レギュラー=>スキャンダル=>降板?

山本モナのスキャンダルが騒がれている。報道レギュラーがスタート寸前というのに。

懲りてないのかな〜。

“環境”サミット閉幕

洞爺湖サミットが閉幕した。今回のサミットは「環境」問題に終始し、金融や資源高騰など世界経済の危機への対応はあまり示されなかったらしい。"新興国"との会合も実のある結論は出ず、アメリカを筆頭とするG8と中国を筆頭とする新興国の立場の違いが強調されるだけに終わった。
ロシアを加えた様にG8が参加国を今後増やすことになった場合、利害関係が複雑になっていくことだろう。複雑に絡まった糸を解すのは難しい。国連の政治問題や経済問題に対する無力さを見ればそれは分かる。だから成果を出すという意味で環境だけを取り上げたのは当然かもしれない。ただ、洞爺湖サミットが有効な最後のサミットとなるのかもしれない。

荒む日常

日経新聞 7月10日 朝刊 39面
「駅員らへの暴力過去最多」

全国21社のJR私鉄の集計で、2007年度に発生した駅員や乗務員への暴力行為が過去最多に達したのだそうだ。748件というから1日あたり二件発生している。ただ、暴力行為と問題になったものだけだから、小競り合い程度のものを含めるとどうか?
最近では関東地方の駅員には女性も増えてきた。電車内での女性乗務員に対する暴行事件も報道されるようになったことを考えるともっと現実は荒んでいるのだろう。乗客同士のトラブルでは警察沙汰になることも増えているかもしれない。

公の場での自制心ということを考えないといけないと思う。

2008年7月9日水曜日

G8首脳宣言を読むーその1

洞爺湖サミットの首脳宣言が採択された。読んでみて思ったこと、考えたことを書く。

世界経済に関する内容
この項目は「グローバル化万歳」「閉鎖的な国内経済制度は全廃せよ」ということだ。また、エネルギーや天然資源開発の透明性にも言及していて、資源国の世界経済への影響を抑えたいという考えが見える。つまり「資源を持っているヤツはサッサと出せ」ということ。知的財産権の保護も言われていて、「技術は真似するな」という考えが分かる。
要は、資源開発をし尽くして技術力を高めた先進国が資源を外交交渉に使うことに気付いた途上国を封じ込めようとしている様に映る。グローバル化や国内経済制度の解放は資本を持った先進国が途上国の国内経済に乗り込みたいということなのだろう。
グローバル化や開放的な経済制度がこの10年間東南アジアの経済をいかに傷めたかを考えると、いわゆる南北問題の再燃が心配になる。先進国を中心とする経済の枠組みはサブプライム問題をはじめとする複雑な金融技術や経済制度で痛んでいる。それを回復するには富の源泉となる資源を支配することだ。同時にグローバル化によってより強い政体が整ってきた途上国は資源を梃子に世界経済に対して権利を主張しだした。
悲観するわけではないが、世界の深刻な争いのタネは既に芽吹いている。
G8に非白人国家として唯一参加している日本、孤立化し戦争への道を選択せざるを得なかった日本がこの状況を打開する働きかけが出来ても良いと思う。

2008年7月7日月曜日

自民党と民主党の違い

独自調査で分かった「政界再編予想図」

という記事が大変興味深いものだったので感想をまとめておく。

所謂、「二大政党」という枠組みで考えた場合、自民党が今のままでは二大政党にはなりえないということが見えていると思う。「小さな政府×規制緩和」と 「大きな政府×格差是正」という政策上の対立は自民党の中に出来ている。つまり、二大政党を形成する政策論争上の論点が自民党内部にあり、自民党VS民主 党という対立構図が成立していないということだ。これこそが非自民政党が何度トライしても政権を奪取できなかった理由ではないだろうか。日本人は明確な政 策上の違いがある政党のどちらかを選ぶより、その両方を包含している政党が時宜にあわせて主流を交代することによって実質的に政権交代を果たすという形を 望んでいるように思う。

民主党の「小さな政府×格差是正」の弱さが見えてくる。格差是正はいうなれば「富の再分配」である。その為には、大きな行政権力を行使して税金の形で富を 徴収しなければいけない。そして、その後に再分配を行って富の偏在を調整することになる。徴税の範囲や再分配の規模を考えると、この行政を「小さな政府」 で実現できるのか?という点に疑問を感じる。格差是正には市場経済に対する相当程度の制限が加えられるということでもある。それを実現するために行政府に どれほどのリソースが必要になるだろうか。

自民党に二つの考え方の潮流があり、時代によって自民党が内部で”政権交代”を実現してきたというのは、実に「日本的」なやり方だと思う。日本は古来より 国家主権の体現者は”天皇”から動いていない。実質的な政府運営は時代により藤原氏、平氏、源氏、足利氏、信長、秀吉、徳川氏と変化していったが、対外的 には1000年以上にわたって主権者が変わっていない。民主国家となって国民に主権が移った後もそれは変わっていないのではないかと思う。自民党という器 に複数の理念が詰まっていて、それが時代の要請に従って主導するものを代える。そう考えると民主党は考え方が偏っていること自体が選ばれない理由なのかも しれない。

このことは「良し悪し」なのではなく、そういう傾向が日本国民にあるのだということだ。その国民性に合わせて自民党は多様な意見を吸収する政党になって いったのだろう。では民主党は一体どうあるべきだろうか?社会党のような「ガス抜き」効果だけの政党であれば、見向きもされなくなる。民主党が多様な意見 を吸収すると自民党との差別化が出来なくなる。しかし、逆に言えば”風”の吹き様によって政権を奪取できるということでもある。小沢代表が自民党と大連立 をしようとしたのはこの点にあるのかもしれない。自らの政党をも生贄として、二大政党を実現させるべく二つの理念を先鋭化させようとしたのかもしれない。

今日からサミットが始まる。福田首相はこのサミットで存在感を示して支持率を回復させたいと思っているかもしれない。世界のメディアが日本の片田舎の湖畔 に注意を向けている。何が決まるということはないが、G8を含め多くの国の公式非公式の外交が展開されるなか、日本の曖昧な立ち位置はどの様に評価される だろうか?