2011年1月12日水曜日

谷垣総裁は上品すぎて政権奪取できそうに思えない

中曽根大勲位が谷垣総裁と会談して、野党第一党として政権を狙え、もっと"バンカラ"に、と言ったそうだ。

谷垣総裁は"あの"加藤紘一の子分だった人だ。加藤紘一は"あの"加藤の乱を起こし政界から弾き出された人だ。何のために未だに議員をやっているのかさっぱり分からない。

加藤紘一は宏池会を河野洋平から奪い、加藤の乱の失敗で谷垣総裁に譲った。河野洋平は総理になれなかった唯一の自民党総裁だ。加藤紘一はYKK(山崎拓、加藤紘一、小泉純一郎)の中で最も総理に近い男と言われた。谷垣総裁はこのままでいくと総理になれないかもしれない。宏池会の会長には"呪い"がかかっているのかもしれない。

河野洋平にせよ、加藤紘一にせよ、「公家集団」と言われた宏池会の品の良さがあるが、それは「駆け引き下手」とも通じるようだ。河野洋平は野党から政権復帰を遂げる直前に加藤紘一の裏切りによって橋本龍太郎に総裁の座を譲った。加藤紘一は小泉純一郎の怒りを買い、徹底的に潰された。加藤紘一が情けなくも撤退する時に涙ながらに励ましたのが谷垣総裁だ。

民主党が内部紛争に明け暮れるなか、自民党は全くつけこめていない。そんな内ゲバを無視して政策論争に場を移すことも出来ない。そもそも、野党の党首である谷垣総裁が幾ら声を張り上げようとメディアが取り上げない。

いや"張り上げる"くらいエキセントリックであれば取り上げられるかもしれないが、谷垣総裁の品性がそれを許さない。その意味で甲高い声を張り上げて相手を撃破した小泉純一郎には劣る。谷垣総裁が自覚しなければいけないのは、「どんなに良いことであっても聞いてくれる人がいなければないのと同じ」だということだ。そう"つかみ"は大事なのだ。

菅首相退陣が囁かれるが、総選挙にならない限り政権は民主党のままだ。それまでに、谷垣総裁が泥臭くても魅力的なメッセージを発信出来なければ、政権交代後の総理に彼が座ることはないだろう。いや、そもそも政権交代すら難しい。