2011年2月24日木曜日

中東の“革命”を見て、中国でも民主化が進むと思ったら甘い!

中東に吹き荒れる"革命"の嵐をみて、「すわ!中国でも」という意見もあるが、中国で中東の様な事態が起きることはないだろう。あったとしても天安門の悲劇が繰り返されるだけだ。

中東で何故政変が成功するのか?鍵となるのは軍だ。エジプトの現状が「軍政下」であることから分かるように、政権の移行とは軍令権の移行に他ならない。ムバラクは軍から見捨てられ退陣するしかなかった。カダフィは軍令権を保持しているが、そもそも部族連合に近いリビアではカダフィは国内の全ての軍事力を押さえているわけではない。

軍が掌握出来なければ、独裁は維持出来ない。逆に軍さえ押さえていればどれだけ民衆を虐げていても、独裁は揺るがない。北朝鮮を見れば良く分かる。

中国は共産党が軍を独占し、その支持は主席に向いている。基本的に政治的権力も軍令権も一致しているからタトエ民衆運動が激化して大規模デモに至っても、軍が制圧する。天安門の様に。だから、中国で民主化が進展するかもなんていう期待は馬鹿げている。

松木農水政務官が辞任・・・って言ってもねぇ

松木農水政務官が辞意 小沢氏処分「納得いかない」(東京新聞2011年2月24日 朝刊) 
 
> 松木謙公農水政務官(52)は二十三日、細野豪志首相補佐官を通じて、菅直人首相に辞意を伝えた。松木氏は二十四日、首相に辞表を提出する。首相は受理する方針。松木氏は民主党の小沢一郎元代表の側近で、党執行部が元代表の党員資格停止処分を決めたことや、首相の政権運営に抗議する意味があるとみられる。 
 
なら、離党する? 
そもそも、政党の事情で内閣の一員が辞表を提出するってどうなんだろう? 
内閣の決定に不満というよりも小沢氏への処分に不満というのであれば離党するべきだと思う。 
 
> 政務三役の一人がこうした理由で辞任することは菅政権にとって一層の打撃となる。 
 
蓄積されたダメージはこの程度ではちょっとしか増えない。良きにつけ、悪しきにつけ影響は軽微だろう。 
 
> 松木氏は二十三日深夜、記者会見し、辞意の理由について「人として、小沢氏への処分はどうしても納得いかない」と説明。消費税率引き上げや環太平洋連携協定(TPP)に前向きな首相の考えについても理由として挙げた。また「民主党は国民生活第一で集まった仲間だが、そういう方向に進んでいない。そういう中でやっていくのはつらい」と述べた。 
 
小沢さんの子分だからついていくんです・・・ってなもん。消費税やTPPはおまけ。第一、小沢一郎は消費税引き上げだってFTAだって賛成のはず。親分が馬鹿にされてだまっちゃいませんぜっていうヤクザの世界ですな。 
 
> ただ、松木氏は離党や会派離脱については否定した。 
 
与党の旨味は捨てられない。そんな不覚悟が政治への信頼を損なうんだろう。

2011年2月23日水曜日

小林麻央の妊娠発表

なんでこのタイミングで・・・?という意見もあるだろうが、逆にこれ以上遅く出来なかったというところではないだろうか。 
 
時期的には10月末から11月はじめにかけて妊娠したようで、件の事件の直前だったようだ。 
 
被害者・海老蔵が叩かれまくる異常な報道に、むしろ発表を控えてきたのだろうと思う。 
 
海老蔵の代役を勤めた愛之助も隠し子がいたなどと大騒ぎ。 
 
海老蔵にもいたんだから代役にも隠し子がいて何の不思議があろうか。 
 
しかし、マスコミは貴重な電波や時間や人的リソースや機材や・・・その他諸々をもっと有益な「報道」に振り向けないのかねぇ?

小椋久美子 結婚へ

オグシオの小椋久美子が結婚するのだそうだ。 
 
確か小椋の方がロンドンを目指すことに積極的だったはずで、それが潮田とのコンビ解消につながったと記憶している。 
 
結果的には意欲的だった小椋が故障に泣いて引退、結婚となり、潮田は新たなパートナーと共に現役を続けている。 
 
皮肉なものだ。

日本は「米作国」だ

菅首相が「第三の開国」と宣言したTPP参加。産業界は喜んでいるように見えるが、農業関係者は烈火のごとく怒っている。TPPは農業を滅ぼすという。食料自給率が下がって国民の安全が脅かされるという。 
 
菅政権の支持率が急落しているが、それよりも民主党にとって深刻なのは政権奪取の原動力となった農村地域の有権者の支持を失っていることだ。だいたい、山口の工業地帯出身の菅首相が農村地域の有権者の考えなど分かるわけもない。市民派政治家とは都市政治家と同義だから農村票とは反りが合わない。市民派政治家は「既得権益打破」が旗印だから既得権益の代表である農村利権を理解することは出来ない。 
 
さて、「日本の自給率を高める」ことを目的として民主党は「農家戸別補償制度」を打ち出して、それは農村票を取り込んで民主党の政権奪取を実現させた。その農業は日本の自給率を上げることが出来るのだろうか? 
 
「人口支持力」というものがある。単位面積当たりで何人の人を養うことが出来るかという指数だ。この指数が、狩猟採集生活では1人/1平方キロなのだそうである。これが農業と牧畜を組み合わせると100倍以上になるのだとか。日本の面積が38万平方キロなので、狩猟採集ではおおよそ30万人くらいしか養えない。実際に縄文時代の人口はその程度であったと推定されている。 
 
かと言って縄文人が貧しかったわけではない。一日に2〜3時間程度野山で狩猟と採集を行い十分に栄養は足りていたという。食材もバラエティに富んでいて、人口密度も低かったので近隣とのストレスなども少なかったとか。しかし、縄文人が豊かに、健康になって人口が増加してくると、行動半径の物理的な制約から、狩猟採集では生活を支えられなくなった。最初は焼畑のようなものからスタートしたのだろうが、やがて縄文人は定住農業によって糊口を凌がなくてはならなくなる。 
 
縄文人の文化が多彩であったことは縄文土器などから良く分かる。これは短時間の労働によって生活がなりたち、余暇時間を楽しんでいたことを示す。弥生式時は非常にシンプルなデザインで、手間がかかっていないことが分かる。これは農業を営んでいた弥生時代の人々の生活に余裕時間が少なかったことを示している。 
 
確かに農業は人口支持力は高いが長時間農作業に従事しないと成果が上げられない。更に、定住していることから人と家畜の糞尿を媒介した病気に悩まされることとなった。風土病が起きても人々はその土地から逃げることは出来ない。近年でも鳥インフルエンザや口蹄疫などの被害が発生しても、畜産家は他の土地に移動することはままならない。 
 
非常にストレスフルな農業社会において、人々のストレスを和らげる様々な装置が考えられたが、その一つが農業を神聖化する神話であろう。日本では天皇陛下が農作業の儀式を行い、天皇は百姓を代表するものという解釈もあるが、これなどは将に農業を神聖化する装置に他ならない。 
 
つまり、農業国日本と天皇は分かちがたく結びついているのだ。 
 
では農業の人口支持力はどの程度なのだろう。狩猟・採集の100倍以上はあるという。江戸時代は諸外国との交易が制限され、国内農業によって人口が支えられていたが、江戸初期に爆発的に人口が増加して後は、中期以降は3,000万人で安定していた。可住地域を考えたとしても、3,000万人〜4,000万人が日本の国土で支えられる人口の限界なのであろう。 
 
では、明治維新になって何故人口が増加したか。医学が輸入され、健康が大幅に改善されたことがあげられる。都市化や暖房の普及も日本人の抵抗力を高めて死亡率を下げた。食料供給は稲の品種改良や肥料の大量投入によって高められた。それでも、戦時中には配給制限が行われるほどになった。当時の人口は8,000万人程度。戦時中の戦地への輸出も合ったとは言え、基本的には日本国内の生産だけで支えるには限界があった。あの時に戦争が終わらなければ、国内で食料争奪の悲惨な現象がおきたかもしれない。事実、戦後には農家が都市生活者に法外な価格(高価な和服とわずかなコメの交換)で売っていた。 
 
そう考えてみると、食料自給率を上げる・・・というが、日本の国土で自給できる限界はどの程度なのか、正確に示す必要がある。仮に、8,000万人分が限界であれば、どう頑張っても食料自給率は70%を超えない。金額ベースの自給率は70%なので、それで十分という気もする。 
 
カロリーベースの自給率は40%を切ったりしているが、そもそもカロリーの半分をコメでカバーしていた時代から食が多様化してきたために、自給率が落ちているといえる。日本国内の農地は基本的には「米」を栽培することに特化して整備されており、飼料に適したトウモロコシや小麦などの栽培に適さない。米食への回帰が叫ばれているが、カロリーの半分を米単体で賄う「貧しい食卓」に今更回帰する必要はない。豊かになったのだから。それよりも、稲作メインの農地を多様な穀類の栽培に転換した方が良い。 
 
ただし、米に比べ他の穀類の販売価格は圧倒的に安い。米は政府によって保護されているため不当に高い価格が設定されているためだ。なので、農家には穀類への転作にインセンティブが働かない。 
 
こうしてみると、日本は「農業国」というよりは「米作国」であると言える。まるでプランテーションのようである。この様な異常な農業から離れないと、農業の振興などは到底無理であろう。

民主党のトロイカ体制の幻想

昨日、民主党の倫理委員会で小沢一郎元代表が弁明したという。どんな内容の弁明かは知らない。興味もない。所詮は民主党の茶番劇であり、何も決定されないのだろうから。

かつて民主党は鳩山・菅・小沢の"トロイカ体制"を誇っていた。鳩山の"資金力"・菅の"アピール力"・小沢の"選挙力"で万全と思ったのだろうか?しかし、鳩山の浮世離れした"鈍感力"・菅の理想家ならではの"妄想力"・小沢の田中角榮直系の"疑惑力"によって馬脚を現してしまった。サピオ誌上で落合信彦が「歴史上トロイカ体制は長続きした試しがない」と指摘していた。三頭だての馬車もこれほど不揃いでは真っ直ぐ進まないだろう。

更に言えば、馬車は馭者が居てこそ進めるものだ。自民党はその成立の経緯から常に権力闘争に明け暮れた。三角大福中とか角福とか実力伯仲する有力者はいたが、いずれも誰がリーダーとなって他を従えた。YKKと言われた山崎拓、加藤紘一、小泉純一郎も小泉首相が誕生する過程で他の二人は追い落とされた。

民主党のトロイカは闘争によって白黒つけることなく、代表の座をたらい回しにすることで協力関係をアピールした。結果的に民主党代表の権威が失墜する結果となった。寄せ集め…以前の話である。

民主党が今回の状況を逆手にとって代表の権威をどれだけ高めることが出来るか。まず、会派離脱をしようとしている16人を除名してはどうか?小沢一郎に対しても一段の強い処分をしてみては?反対する人は降格などどんどん処分すれば良い。どうせ今のままなら法案は通らないのだから、離反者がいくら出ても一緒なのだから。