2009年9月11日金曜日

婚カツは少子化対策になるか〜フランスの例を考える

婚カツなどと言って「結婚相談所」やドラマ、バラエティー番組が流行っている様に見える。少子化対策なのだそうだ。効果の程は不明だ。民主党は子ども手当てで育児を支援すると言うが、お金より保育園だ。

女性の社会進出が広がっているにも関わらず、待機児童は一向に減らない。団塊世代の定年に伴って、日本の労働人口は劇的に減った。労働者が稼ぎ、消費する。これで経済が回るはずだが、お金を回すプレイヤーが減っていることの方に出生率以上の問題がある。

保育園や幼稚園の増設によって女性が社会に出れば、それだけで経済成長が図られる。子ども手当てで配るのではなく、保育園の増設にお金を使う。民間企業の参入も促進する。官製の保育園を保護するために参入が規制されているならば、それは撤廃しなければいけない。

もう一つ。女性が、いや人が多様な家族構成を築くことに対する支援をもっと考えた方が良い。例えば、日本では婚外子は例え遺伝子検査で血縁関係が立証されても父親の実子として戸籍に載らない。「できちゃった結婚」には出産前に入籍しないと子どもが私生児になるから急ぐのだ。でも、同棲し、子どもがいても結婚しない選択もあれば、逆に結婚してなくても養子を育てるという家族の選択もあるだろう。実子や庶子、養子の別をなくして、多様な家族のあり方を許容出来る社会を実現しよう。

2009年9月9日水曜日

郵政民営化凍結は支持されたのか?

民主・社民・国民新の3党の政策協議で郵政民営化見直しが合意された。はて?今回の選挙で大きな争点とならなかった郵政民営化。民意はいつ修正されたのか。国民新党が求めていた4分社化の見直しは見送られたが、民営化の流れは止めてはいけない。仮に、民主党が参議院での過半数に拘って議席を減らした国民新党や議席を維持しただけの社民党に譲ることが多くなると民主党を支持した民意が吹き飛ぶ。

2009年9月8日火曜日

自己責任と自由意思を前提とした市場原理を貫徹することにより、経済構造改革を行う

日経ビジネスに紹介されていた一文だ。1998年に設立された民主党の基本政策の一つだという。正に「市場原理主義」が党是であった民主党の政策は何故変容したのか。稀代の政治家小泉首相の登場がそこにあった。

小泉首相の「自民党をぶっ壊す」「規制緩和」「構造改革」は当時の民主党の政策と一致する。その小泉純一郎が何故「ぶっ壊」してまで自民党に拘ったのか分からないが(自民党も民主党もぶっ壊して、政界再編を企図したのかもしれない。ところが、今回の選挙結果と同じで改革路線に反対していた議員も長老であればあるほど節を曲げて生き残った)、小泉"構造改革"に民主党"構造改革"が負けた時点で民主党の存在意義はなくなってしまった。それが民主党の旋回を生む。すなわち、"保護主義"民主党だ。

小泉以後の自民党が"構造改革路線"から従来の"保護主義"に戻ったとき、そこには保護主義の権化田中角栄の後継者、小沢一郎が構えていた。保保連立は民主党の政策転換と自民党の復旧が可能にしたが、これが成立しなかったことで自民党も民主党も長年の政治闘争の「恨み辛み」で出来ていることを露呈した。

昨日のTVタックルで評論家の三宅久之は「自民党は首班指名選挙で麻生党首に投票しないなら鳩山由紀夫に投票してはどうか」。なるほど。その手があったか。

暫定税率と高速道路料金は無くならない

前の投稿「これで国内雇用は蒸発するかもしれない」で鳩山政権がどうやって温暖化ガス削減目標25%を達成するつもりか問うたが、僕なりの解を示すとズバリ「暫定税率を環境対策税にして、高速道路利用料を環境対策料金にして徴収し、排出権を海外から購入する」というものだ。購入先には日本の環境技術を輸出して排出枠を創出し、排出権を買ったお金を回収する。回収されたお金は環境技術企業に支払われ、技術開発に再投資されて日本の技術が他を引き離す。環境技術に助成金を出すより利権が発生する余地も少なく、企業側に競争の機会が増えるため、健全性も高いと思う。

また、「暫定税率廃止」「高速道路利用料無料化」というマニフェストも達成出来るので民主党の面目も保てる。

どうだろうか。

これで国内雇用は蒸発するかもしれない

実質的に時期首相に決まっている鳩山由紀夫民主党代表が国連気候変動サミットで日本の温暖化ガス削減目標を90年比25%にする方針を打ち出したらしい。現政権の目標が同比8%なので野心的な目標と言える。サミットでは中国やインドなど途上国が日欧米の先進国に対して目標をもっと高くする様に求めており、衆議院選挙前から25%の目標を民主党は掲げていた。

民主党はマニフェストで地球温暖化対策税の導入を打ち出していて、それに企業に対する排出量削減目標を突きつけてくると思われる。ガソリンの暫定税率廃止や高速道路無料化は25%目標に逆行しており、更に企業に対する削減要求が引き上げられる可能性もある。これでは企業の経営環境が悪化し、折角環境技術で生産量を増やそうとしているのに海外に生産拠点が出ていきかねない。

鳩山代表はEUの目標に遜色ない数値を打ち出したのだろうが、EUには東欧の旧共産国が含まれる。90年は旧共産国は技術水準が低く環境対策は不十分であった。EUは西欧の水準に東欧を引き上げるだけで目標が達成出来る。アメリカも同じで、環境対策車が日本メーカーで占められる様に、その環境対策は元々不十分だ。

翻って日本を見てみると、当時最も厳しかったカリフォルニアの排出ガス規制に対応したホンダをはじめ環境対策には従来から余念がない。また、少資源国であることからエネルギーコストが高いので、省エネ製品が普及している。過去の公害の教訓と狭い国土で工場と住宅が近くなってしまうことから企業の環境対策も進んでいる。そこに更なる温暖化ガス削減を過剰に求められたら企業は国外に移転するしかない。

国内生産を続けたとしても、環境対策投資や税負担などによってコストが上昇するので、製品価格の上昇やラインの自動化によって家計負担増か雇用減少につながってしまう。

さて、鳩山政権はどうするのか。

2009年9月7日月曜日

民主党があれだけ勝ったのに社会党と国民新党を閣内に入れたがる理由が分からない

衆議院では過半数を越し、参議院でも自民党を過半数割れに追い込みながら、なんで社会党や国民新党なんて小党に拘るのか。確かに参議院では社会党や国民新党の協力がなければ法案が通らない。衆議院は三党合わせても三分の二を上回らないので、参議院で否決されても再可決出来ない。それが原因だと思う。

仮に社会党と国民新党が閣内に入った場合、政府の意志決定に両党が反対すると閣内不一致となって大臣罷免か総辞職か解散となってしまう。これは両党にとってはチキンレースの様なもので大臣の座で参議院の議席まで売り渡す結果となる。

民主党も最後まで強引にいければ良いが、分裂の火種ともなりかねない。いっそのこと合併するか、筋を通して閣外協力に留めるか、両党党首の見識が試されそうだ。

渡邉美樹の意見は民主党議員に伝わったか?

昨日の日テレの「バンキシャ」は民主党の新人議員が多数出演した。コメンテーターの渡邉美樹ワタミ社長は「農業戸別補償」を天下の愚策と断じた。民主党の農家出身の議員の反応は、渡邉社長の意見を肯定していた様に見えた。

戸別補償が愚策なのは将来展望がまるでないからだ。今日の日経新聞27面で穂坂前埼玉県知事は「農家への戸別所得補償も従来の政策よりは効果が見込める。」などと言っている。戸別補償で収入が安定すれば若者が帰農するというのだ。だが、農業従事者のほとんどは他に職を持つ兼業農家で経済的に困窮している人は少ない。

それなのに跡継ぎがいないのは肉体的に辛い農業を嫌ってのこと、農協に牛耳られてビジネスとして面白味に欠ける農業を嫌ってのことだ。あれほど「世襲議員」を批判したにも関わらず、「世襲農家」を許すのもおかしい。どちらも父祖の努力の上にいることには変わりないのに。だから、戸別補償など不要なのだ。今や将来性のある産業として参入を望んでいる企業はいくらでもいる。逆に跡継ぎがいなくて土地を売却して余生を過ごしたい人も沢山いる。

戸別補償は「退場したい」人と「退場すべき」人を無用に残し、農業の未来を台無しにしている。でも、分からないんだろうなぁ。