2010年10月19日火曜日

仙石氏の真意がボロボロ暴露

参院の決算委員会で自民党の丸山議員によって尖閣問題への対応について仙石官房長官が中国を意識して釈放に関与したのではないかという疑いがなお一層濃くなってきた。丸山氏は仙石氏との遣り取りを以下の様に再現した。

丸山氏「判決まで拘置して強制送還すべきだった」
仙谷氏「APECが吹き飛んでしまう」
丸山氏「日本が中国の属国になる」
仙石氏「属国化は今に始まったことではない」

前段の遣り取りでは仙石氏がAPECを守るために検察に関与して釈放させたことが窺われる。つまり「APECが吹き飛んでしまうので検察に起訴まで強行させないで処分保留で釈放させた」ということだ。更に後段の属国化が「これまでもアメリカの属国化していたのだから、中国の属国と化すことに何の問題があろうか」という意味であれば仙石氏は思い違いをしている。アメリカは確かに日本を使い立てしてきたが、良くも悪くも民主政体であるから対等の同盟条件を整えることが出来る。しかし、中国のような非民主的な政権との同盟関係は、特に日本のように非武装の丸腰では、あっという間に占領の対象になってしまう。徳川家康がなし崩しに大阪城の堀を埋め立てたように、硬軟織り交ぜてなし崩しに軍隊の駐留などをしてくることは容易に考えられる。

仙石氏は「何らかのことを友人関係で話したとすれば、国会で質問されるのは不本意だ」と言っていて、丸山氏の電話には出ないといったようなことを言っているが、これは丸山氏が言ったことを認めたと同じだ。事ほど然様に我が国の内閣官房長官は「脇が甘い」。先日の現役官僚の国会証言に対して「彼の将来を傷つける」と恫喝するなど、ある意味仙石氏は正直な人なのだろうと思う。ホンネがポロリと漏れまくってしまう。

そのホンネがちょっとヤバイ。司法の独立を堂々と蔑ろにする様な尖閣問題処理、中国の属国化も已む無しと考える政治哲学(彼は何を優先しているのか?)、自分の意に染まない発言をした官僚を恫喝する態度のいずれも政府No.2としての見識に欠けると思うのだがどうだろうか?

政治倫理審査会って真面目に制度設計されたのか?

日経新聞に「政治倫理審査会」の流れが図式化されていた。この制度を考えた人は相当不真面目な人だと思う。

まず、審査会開催の申し立てが委員にしか出来ない。しかも委員の三分の一以上が一緒に申し立てないといけないという。更に申し立て人には委員長を含まないといけない。

民主党が与党であるため、委員長は民主党議員だし、委員の三分の二以上が民主党議員になっている。これでは民主党議員を対象とした審査会は絶対開かれない。ましてや小沢一郎だ。

仮に申し立てたとしても審査対象者本人には審査会に出席する義務がない。審査対象者が出席しない審査会など普通の会議にすぎない。いや、座談会か?

まず、申し立て人を有権者全員にするべきだ。一定以上の申し立てがあれば開催し、出席を義務化する。罰則も設ける。というか、倫理を審査するのであれば、政治家の持つべき倫理とは何かについてもっと議論しなければいけない。

もっと意味のある制度にして欲しい。身内の制度でこの体たらく。彼らが作る政策や制度の程度が知れる。