2008年6月20日金曜日

“死に神”はマズかろう

朝日新聞のコラム"素粒子"で死刑執行のサインを「後藤田法務相が死刑執行を復活して以来」一番した鳩山法務相を"死に神"と呼んだのだそうだ。

このコラムの筆者は死に神という言葉で何を言わんとしたのだろうか?「死の執行者」という意味であれば、死刑囚に対してはそうかもしれない。ただ、死に神というと「死を待つ者」「死を望む者」「死に誘う者」という意味がある。喜々として人を死に落とし入れる禍々しい神のイメージだ。

コラムの筆者は鳩山法務相が歴代の法務相より死刑執行に積極的なことを指弾したかったのだろう。その積極姿勢を死に神に擬したのだと思う。でも、鳩山法務相は法律通りに執行しているだけ。他の法務相が恣意的に法を曲げてきたのだろう。「決まりを守らなかった者」より「決まりを守った者」をただ批判するのはバランスを欠く。少なくともコラム子は鳩山法務相の遵法への努力は認めるべきだと思う。そして、自分の立場を「死刑反対者」だと明らかにした上で、「死刑賛成者」と思われる鳩山法務相の"意見"に異を唱えるべきだったろう。

人の主義主張を批判するに、相手にレッテルを貼って貶めるのはジャーナリストの立場ではない。

2008年6月18日水曜日

change

オバマ米大統領候補のキャンペーンで使われ、キムタク主演の月9のタイトルにもなっている。
21世紀最初の10年間を後世の人たちはどう評価するだろうか。

インフルエンザの感染シミュレーション

日経新聞 6月18日 朝刊一面
「新型インフルエンザ2週間で感染36万人」

抗体持つ人がいない新型インフルエンザの感染をシミュレーションすると2週間で36万人が感染するという結果になるのだとか。こういうシミュレーションは「良いものは大袈裟に」「悪いものは控え目に」なるものだから、実際はもっと感染は大きくなるのではなかろうか。
小松左京は小説「最後の日」で新型インフルエンザが世界にあっという間に広がる可能性を描いた。今回のシミュレーションでも考慮されているように、現代の人間は非常に高速に遠い場所まで移動する。今よりも交通事情が悪い時代にスペイン風邪などヨーロッパ全体を揺るがすインフルエンザ大流行があったことを思うと今回のシミュレーションは控え目な気がする。最小の感染拡大がこの程度だったと思った方が良いだろう。
政府や自治体はこのシミュレーションをたたき台に感染拡大防止策を評価するらしいが、控え目なシミュレーションによって検証が甘くならないことを望む。

2008年6月17日火曜日

宮崎勤 死刑執行

記事を読んで、あれから20年も経ったのかと思った。

当時僕は大学生。「オタク」という言葉が一気に広まり、偏った意見が許された。マスコミは「時代」を批判したが、正面から犯罪者を捉えようとしない弱腰を隠すためだったのではないかと思う。

宮崎勤は再審請求や恩赦を望んでいたそうだ。朝日新聞のサイトがあるジャーナリストの「宮崎勤は自分の犯罪と死刑を結び付けられていなかったのではないか。犯罪者が理解出来ないままに死刑が執行されて、罪を償うという刑罰本来の機能が不全になっている」という意見を取り上げていた。実に朝日新聞らしい記事だ。
死刑を回避しようと再審請求や恩赦の準備をしてたというのだから彼は自分の犯罪と死刑の関係を理解していたのだろう。面会したジャーナリストの目には彼がぼーっとして精神が変調をきたしているかのようにうつったらしい。ただ、20年だ。普通に社会生活を営んでいる人と比べれば、変なところはあるのだろう。
だからといって、判断能力は落ちてはいなかったようだ。彼は自分が死刑になることをちゃんと理解していたように思う。ただ、反省をしてたかといえば分からない。これは永遠に分からないだろう。人の心は見えないから。だから、償いの形として従容と刑に服さないといけないのだと思う。
死刑の確定から執行までが二年と短いことが伝えられている。だが、被害者の家族は20年待ったのだ。遺族は事件当時の土地から転居しているのだとか。何もなければ幸せに刻まれた家族の20年を思えば、遅すぎたと思う。

テニスサークル

会社の近くにテニスコートがある公園がある。使用料が安いらしく、どこかの大学のテニスサークルが良く練習をやっているらしい。男女が半々くらいで毎日の様に駅の近くで待ち合わせして公園に向かっている。
最近は練習の前後でちゃんと着替えるらしく、ジャージ姿はほとんどいない。女の子は例外なくスカートにラケットをぶら下げている。
時々乗り合わせるのだが、彼女/彼らがテニスの話題をすることはない。サークルが男女のコミュニケーションツールとなっているというところだろうか。

しかし、ワンピースやスカートにラケットってアンバランスに思うのは年をとったということなのだろう。

副都心線

開業した東京の地下鉄の経済効果は新宿にしか現れていないらしい。もっと言えば伊勢丹だけ。駅の真上に建つ伊勢丹。今までは交通事情で池袋や渋谷、新宿でもJR周辺止まりだった人の流れが変わるのだろうか。

ここ1ヶ月くらいが勝負だが、新宿も伊勢丹だけが頑張っても仕方ない。今や街の魅力はその街の総合力なので、会社や業界を越えた街作りがどれだけ出来るか?だと思う。