2007年6月28日木曜日

作家と政治家

東京都の副知事に作家の猪瀬直樹氏が就任することとなった。都政が作家コンビで切り盛りされる格好だ。猪瀬氏は道路公団民営化でも存在感を示し、国会議員に担ぎ出されてもおかしくないと思うが、あの歯に衣着せぬ物言いは今の政治家では禦せないだろう。その意味では石原慎太郎も同じだったのだろうが、昔の政治家は懐が深かったということだろうか。

政治家は民意を敏感に察知し、関係情報を収集分析して政策構想を練り上げ、それを民衆が理解し易いように説明しなければいけない。作家も同じだ。江戸時代の政治家が文筆家としても大成したのはそれが理由だろう。猪瀬氏が都民や国民にどうメッセージを伝えるのか楽しみにしたい。

多神教と一神教

久しぶりに田中芳樹の「アルスラーン戦記」を読んだ。昔からだが、田中氏は教条主義的な宗教が嫌いらしい。特に一神教はあまり快く思ってないらしく、この物語の中でもキリスト教をモデルにしたと思われる一神教を信仰する国を、他の文化を許容しない野蛮な国として描いている。

一神教は唯一神を規定するので絶対価値が唱えられ易く、政治的に利用されやすい。逆に多神教は複数の同等な価値を内包するので政治的に利用しづらい。世界を見回してみても教条主義的な争いは果てしない悲惨な戦争を終わらせることが出来ない。他者の価値観を認められないから徹底的に相手を滅ぼすことになる。

だが、一神教は宗教の形態としては特殊だ。世界中見回してみても一つしかない。ユダヤ教だ。キリスト教とイスラム教はユダヤ教からの派生宗教なので、実質的に一神教は一つだけだと言える。そんな少数派のイデオロギーに世界が振り回されることはないだろう。

TBS リクルートと資本提携

日経新聞 6月28日 朝刊 一面
「TBS リクルートと資本提携」

TBSの番組とリクルートが持つ消費者向け情報を組み合わせたネットや携帯のサービスを共同で開発するという。

はて?TBSはメディアとネットの融合に懐疑的だったのではなかったか?楽天との提携がうまくいかないのもそれが理由ではないのか?それとも、経営に口出しされたくないとかいう理由?いきなり株を買い増したから信用出来ない?子供みたいな理由だな?他の株主の存在を無視しているとしか思えない。

楽天よりリクルートを選んだ理由はTVCMを利用しているかどうかというところではないだろうか?リクルートはその成長をTVCMを利用して実現してきた。楽天はTVCMをマーケティング戦略のなかで重要視していない。リクルートなら現在のメディア利用の延長線でサービス開発が出来る。イニシアティブはTBSが取れるだろう。楽天ならば今のメディア利用を破壊しようとするかもしれない。イニシアティブは楽天にあるだろう。

そう考えるとTBSの現経営陣の保身としか考えられない。

2007年6月27日水曜日

言葉の力

日経新聞のコラム春秋によると、かのヘレン・ケラーは蛇口から流れ落ちる"実体"としての水が「水」という"名前"を持っていると理解した時に人として生まれ変わったのだという。人間は実体に名前をつけることで事物を認識する。逆に名前がつけられないものは理解が出来ない。名前は「概念」である。概念は「シンボル」である。シンボルは現実を抽象化した「物語」つまりフィクションだ。
だから、人間は現実を現場で体験するのと同じ位、見事な語り口のフィクションに魅了される。「すべらない話」というバラエティー番組では芸人が色々な実際にあった話をするが、最も重要なのは出演者の話し方だ。筋書きや伏線の張り方などが説得力を持つ。
バラエティー番組から物語の話し方を学んだ方が良さそうだ。昨日の会議は無駄に長かった。何度説明しても分かってもらえない。…だけど、それは自分の話し方のせいかもしれない。

「アイフォン」の衝撃

「アイフォン」の衝撃

iPhoneの売れ行きが好調だという話。

多分、ここ数年のうちには日本にも上陸してくるだろうと思うが、商標はどうなるんだろう?
気にしているのはこの会社のこと。
アイホン
「ホ」と「フォ」の違いはあるが、同じ通信機器でということになると「類似商標」として問題になるだろう。Appleは以前も無線通信アクセスポイント 「AirPort」の日本発売で同じことをやっている。「AirPort」が商標登録されていて、日本国内では「AirMac」として販売することとなっ たのだ。「i」で始まる商品名はAppleのブランドとなっている。それを易々と変えるApple(ジョブス)ではないだろうから、これは見ものだ。

2007年6月26日火曜日

「環視社会」の足音

日経新聞 6月26日 朝刊 1面
「環視社会」の足音

情報を隠せないことを逆に利用するべきだということ。

情報を公開するマーケティングということが考えられるのだろう。顧客に正直にコミュニケートするということが重要。顧客にしろ、ユーザにしろ情報を漏らさないことは出来ないと知るべきだ。

2007年6月25日月曜日

プロポーズ大作戦 最終回

プロポーズ大作戦が最終回だった。

このドラマの山下智久はとにかくイライラした。はっきりしないカップルを横から見てるってイライラするんだよね。

「過去に戻って現在を変えるよりも今を変えた未来を追いかける」というのがテーマだと思う。

三上博史最後の科白に「男は初恋をあきらめられず、女は最後の恋をあきらめられない」という言葉があった。ヴェイスという人の言葉だそうだ。

これは他の関係にもあてはまるかもしれない。

「上司は最初の指示が忘れられず、部下は最後の指示が忘れられない」

男女間、上下間など様々な関係性の中で時間軸がずれるということはすれ違いによる悲劇の原因だろう。

ビリーのお言葉・・・

“最強の51歳”ビリーが信者400人と「ビクトリー!!」(サンケイスポーツ)

深夜の通販番組で人気の「ビリーズ ブート キャンプ」のビリー・ブランクス氏が先週来日して、この日曜日に東京ドームでイベントを開催した。ビリー来日の効果は大きく、Amazonの売れ筋ランキングでも8位に食い込んでいる。

この人気は「マスコミによって作られた」部分も大きいが、来日前からブログなどでも評判になっていた。

http://blog.search.goo.ne.jp/wpa/rb/dispatch.rb?ik=%A5%D3%A5%EA%A1%BC

「指導がうまい」「励ましてくれる」という評判が多く、「ビリーのお言葉」が多くのファンをひきつけていることが分かる。

ビリーがトレーニングをする人に与える目標は”高い”。トレーニングの内容はハードで、50分間動き続け。そこいらへんのフィットネスクラブよりもハードなトレーニングだ。
その目標をトレーニングする人が超えられるように、ビリーは励ましたり挑発したり、ありとあらゆる言葉を投げかけてモチベーションを維持させるという(僕はこのDVDを見たことが無い)。そして、一つのトレーニングが終わると「よく出来た」と最大級のほめ言葉を贈る。

これは企業の管理職、特に部下を直接指導する職種の人には必要なスキルなのではないだろうか。
1)高い目標を掲げて挑戦させる
2)目標を超えられるように常に部下を動機付ける
3)目標を超えたときに最大の賛辞や感謝の言葉をかける

ビリーは軍曹だったそうだ。つまり命令する立場というより、チームの先頭にたってその命令をうけとり、チームメンバーそれぞれに目標を割り当て命令を完遂するために指導する立場だったということだ。その経験がこのビデオでも生かされている気がする。