2009年2月25日水曜日

イオンとファミリーマートがWAONで提携でコンビニ再編?って

電車の中吊り広告で表題の様なタイトルが大書されていた。

GSM業態でイトーヨーカ堂と競り合うイオン。コンビニ業界で第3位のファミリーマート。一緒になって7&Iに対抗と聞けば納得感はある。
でも、WAONという決済疑似通貨を共用することが直ぐにグループ形成にはつながらないと思うのだが。

一方で、ローソンはam/pmを買収する。ローソンは既に普通のローソンとナチュラルローソン、100円均一ローソンとブランド拡張の手を打っている。am/pm買収は更なるブランド拡張を意図しないだろうか。

今の時代、何が消費者に受け入れられるかは分からない。そう考えるとローソンの多ブランド展開は悪くない。特にコンビニ業態が好調の時期に色々なお試し業態を追加して、次の成長の芽を育てておくのは良いことではなかろうか。

2009年2月24日火曜日

生産性とオフィス環境

「ピープルウェア」(トム・デマルコ、ティモシー・リスター共著)より
"プログラムは夜作られる"

オフィスにいると仕事が捗らないという話を良く聞く。休日や早朝、就業時間後の夜などに仕事をする方が仕事が進むというのだ。僕はどれだけ周りが騒がしかろうが目の前のことに集中出来たりするのだが、仕事を終えてオフィスの物音に耳を澄ますと驚くほどうるさいことがある。
総務部などのオフィス管理者は集中出来ないのは個人のせいだというが、周りの音が気になるかどうかは多分に先天的なものであって本人にはどうしようもないことだ。特に、頭の中で論理を組み立てたり、文章を書いたりする様な職種では騒音や雑音によって集中が妨げられると生産性は落ちてしまう。
ところが、オフィス管理者や上司というものはそういうことに対する理解は示さない。特に、静かだと活気がないとか、隣の席との距離が知的生産性に関係ないと信じている場合は非人間的なオフィス環境を平気で提案する。
かくして、残業は増え生産性は落ちる。トリンプの吉越元社長が"がんばるタイム"という電話も会議も私語も禁止という時間を作ったのは慧眼である。「ピープルウェア」で紹介されている例で言えば、所謂"フロー状態"に入るまでに15分必要だとすれば、2時間のがんばるタイムは生産性の105分の時間を生むことになる。一般的に仕事で机に向かっている時間は4時間程度だとすると、環境係数=E係数は0.4を大きく超える。

オフィスワーカーの生産性はあまり科学的には検証されないことが多いがE係数は積極的に測定し改善に活用した方が良いと思う。

2009年2月23日月曜日

成功したことをどんどん人に話そう。ただし、ひけらかさないこと。

デイル・ドーテンの「笑って仕事をしてますか?」より

"成功したことをどんどん人に話そう。ただし、ひけらかさないこと。"

「自慢話」をするのは結構難しい。人に話をする時に難しいのは聴衆の共感を得るのが難しいからだ。独り言は聞いてもらうなら別だが、通常は聴衆に納得してもらったり、頷いてもらったりしなければならない。最近の漫才で所謂"あるあるネタ"が流行るのは当たり前なのだ。

逆に失敗談は話しやすい。世間には失敗した人は多いので失敗談には必ず共感出来るポイントがある。以前「効果的なプロジェクトマネジメントの実践」というテーマで一時間の講演をした時に聴衆が一番盛り上がったのは「こういうのが原因でプロジェクトって失敗するよね」という"あるあるネタ"だった。しかし、成功の経験ってなかなか無いから自慢話は斜に構えて聞かれてしまう。

"ひけらかさない"というのは斜に構えている聴衆を引き込まないといけないということだろう。それには聴衆に質問をすると良い。質問に応えた聴衆は、その時点でプレゼンテーションの一部になってしまう。すると聴衆は講演者の仲間となって自分のことの様に話を聞いてくれる様になるだろう。

ただし、正解のある質問をしてはいけない。仮に間違っていると質問に答えてくれた人のモチベーションは落ちてしまう。くれぐれも「僕は正解を知っている」という態度は示さないことだ。

「正解のない質問をしながら成功した話をしよう」by 賢太郎

◆具体例
「大規模で複雑な失敗するリスクの高いプロジェクトに召集されたら君ならどう思う?」
「嫌だな〜って思うけど仕方ないよね。仕事だもん。」
「そうだよね。でも、不安があるのに無視すると雰囲気が悪くなると思ったんで、思い切って不安暴露大会をやったんだよ」
「へ〜っ。」
「不安暴露大会をやったら、君ならどうする?」
「個人攻撃になりそうだな。アイツが悪いとかあの部署が悪いとかさ。」
「そう。他人の批判をするだけの人もいたよ。他には人の課題じゃなくてプロジェクト自体の課題を言ってくれる人もいて、そういう人の意見を積極的に取り上げていったら余り個人攻撃をすることはなくなっていったよ」
「そんなものかな?」
「あと、最初に落とし所を決めなかったのも良かったんだ。会議とか打ち合わせって予定調和みたいなところがあるけど、そういう根回しを一切しなかったんだ」
「君のプロジェクトで同じことをやったらどうなるかな?」
「ん〜。そこまで上手くいくか分からないけど今より悪くなることはないだろう。なんたって、崖っぷちだからね。」
………

断じて、凡人になってはいけないーずば抜けたすばらしさを追求し、次いでそれを打破しよう。

デイル・ドーテンの「笑って仕事をしてますか?」より

"断じて、凡人になってはいけないーずば抜けたすばらしさを追求し、次いでそれを打破しよう。"

昨今の不況は「100年に一度」と言われる。市場が激変し、「当たり前」のことが通用しなくなる。なのに相変わらずの「景気対策」。給付金や公共投資。
企業も同じ。人員削減や仕入れ価格の値下げ要求でコスト削減をしようとする。
去年のアパレル各社の業績は殆どマイナス。唯一ユニクロだけがプラス。ヒートテックやロジスティックスの無駄がないことが好調の要因。不況=>公共投資という常識。売れそうなデザインで見込み生産という常識。
それらの常識を捨て去った先にユニクロの成功がある。しかし、ユニクロがこの成功に気を良くして繰り返し同じことをすれば、やがて硬直化していくだろう。

どんな企業にも、チームにも、"草創期"というものがある。一度でも成功した企業やチームは、その時期に競うように様々なアイデアを試している。いつからアイデアが歓迎されなくなるのだろう。アイデアって気がつくと何故か歓迎されないようになっていくものなのかもしれない。

だからこそ、ビジネスパーソンとして「アイデアの追求に妥協しない」ということが大事になるのだと思う。リーダーやマネージャであれば「もっと良いアイデアはない?」とか「最高のアイデアを試してみよう」と部下を挑戦に導くことが必要なのだと思う。

去年、社内のある部署の人数を半減させた。仕事量は従来と変わらない。しかし、みんな工夫して仕事をこなしていっている。最初は抵抗があった。この人数じゃないと出来ないと言っていたが、その人数になってみると出来るものだ。硬直化した組織では「パーキンソンの法則」は生きている。時間はある限り費やされる。しかし、活気のある−つまりは変化に富んだ−組織では「パーキンソンの法則」は死に絶える。

「凡人にならない様に組織やチームを"揺さぶろう"。変化し続ければ、無為に過ごす時間など無くなっていく」by 賢太郎