2009年10月23日金曜日

ヴェルディ

昔から天の邪鬼なので人気チームには反感を持っている。チームや選手には迷惑なことだろう。巨人は嫌いだし、リーグ優勝や日本一なんて話にはテンションが下がる。同じように、ヴェルディにも興味が無かった。オリジナル10ではサンフレッチェが一番と思っていたし、出身からアビスパも応援していた。ザスパの様な物語りのあるチームも大好きだ。

そんな天の邪鬼はヴェルディの話でちょっと気持ちに変化が。そもそも、巨人もヴェルディもナベツネの顔がちらついているので嫌だったのだが、Jリーグで意見が通らなかった彼は日テレにヴェルディを叩き売った。それまで地元密着を真っ向否定していたナベツネの影響でヴェルディは徐々に観客動員を減らしていく。ヴェルディを叩き売り日テレに押し付けたことは実は昨今の巨人離れ、野球離れにもつながっている。野球離れは厳密には野球視聴離れだ。地上波でみんなが巨人を応援するなんてことがなくなっていったわけだ。
天の邪鬼はそうなるとヴェルディを応援したくなる。日テレがスポンサーを降り存続が危うくなっていれば尚更だ。んで、どうすれば良いのか?
ヴェルディが地元密着に方針転換してもなかなか大変だ。東京にはもう一つ、東京が育てたと言って良いチームがある。チームのブランドは継続性だ。フランチャイズを変えたチームや運営方針が度々変わるチームにはブランド形成する継続性に欠けている。ナベツネはブランドならば「読売」があると思ったかもしれないが、読売のブランドはサッカー好きの少年少女には通用しなかった。それにいつまでも気付かなかったことがやがては野球の低迷につながった。

ヴェルディはゼロから地元でブランドを育てていかないといけない。それには望まれる場所にフランチャイズを移すことも考えるべきだろう。サッカーが盛んな長崎や鹿児島なんてどうだろう。ヴェルディ「緑」は東京なんかより南の地域の方が似合っている気がする。

ゆうちょとかんぽを地域分割会社にしよう

亀井大臣は郵便貯金の運用について「地方の金融機関と一緒になって地域経済のために役立つ方法を考えないといけない」と言ったそうだ。まことに結構である。地域で集めた金を地域の企業活動に融資して経済発展を図るのは当然で、ならば金融と郵政の担当大臣を兼務している彼にしか出来ない抜本的な改革がある。すなわち、郵便貯金の地域銀行への分割譲渡である。

分割単位は検討されている道州制の単位で良かろう。郵便貯金を契約者の住所によって地域分割し、地域の銀行に譲渡してしまえば良い。「地域銀行と協力」というが、地域銀行と貯金を奪い合うゆうちょがどうやって連携するのか分からない。地域銀行にゆうちょから融資をしてそれを原資に地元企業に融資するという方法は考えられるが果たして国営銀行が地域銀行に融資して影響力を強めることには問題が出るだろう。

ミニゆうちょを地域銀行に譲渡すれば、地域で融資に使えるお金は激増する。一番増えるのは東京だが、これは仕方がない。亀井大臣が目論むのは都会で集めた貯金を地域経済に融資させるということだろう。かつての財投で郵便貯金が中央省庁や政治家の恣意で公共事業に投資され、焦げ付いたというのがあるが、その再現を狙っているのだろう。

今回の日本郵政の次期社長人事は「コーポレートガバナンス」を無視した暴挙で法令遵守を旨とする行政トップのやることではない。指名委員会に働きかけて候補者を送り込むというのならまだしも、指名委員会を無視して「内定」を権限のない郵政担当大臣が出すのはおかしい。指名委員会には是非堂々たる批判と共に指名拒否と独自候補者の指名もしくは辞任をして欲しい。いくら元国営とは言え、株式会社として衣替えしたのだから政治家の過度な介入は許されない。それもこれも亀井大臣の「全体社会主義」体質に起因するものだと思う。

全体社会主義政治家の亀井大臣には自律的な資本市場は信頼に値しないので、ゆうちょやかんぽの地域分割は考えられないだろう。NTTを再合併しようとしている通信業界原口総務大臣も昨今の通信業界の競争を苦々しく思っているので、再合併を機に通信規制を強めて自律的な栄枯盛衰を妨げようとしている。その意味で、郵政に関わる二人の大臣がケンカになることはなさそうだ。

しかし、この二人に限らず事業経営経験もない政治家が日本郵政の経営問題にクビを突っ込むのは止めた方が良い。大失敗するのが目に見えている。

2009年10月21日水曜日

無節操なニュースショー

日本郵政の西川社長の退任を伝えるテレビ朝日の夜のニュースショーは無節操極まりない。郵政民営化や西川社長に対し、かんぽの宿売却で不正があったかの様な報道を繰り返し、地方で郵便局が減っていると誤った報道を繰り返しながら、いざ民営化凍結、西川社長退任となった途端に郵貯マネーが国債に流れ続けるのが問題だと言い出した。調査能力も分析力もないから報道内容が二転三転するのだ。

でも、民主党に対するエクスキューズは地方の簡易郵便局の話題で準備する。ますますワケの分からない報道になった。簡易郵便局は要は郵便局のフランチャイズの事業展開なのだが、地域が負担することにゴニョゴニョ言い訳していた。報道姿勢がぐらついているニュースは見るに堪えない。

これで日本の自由資本主義は後退する

日本郵政の三事業一体再官営化が閣議決定された。株式会社を公社に戻すまではいかないかもしれないが、郵政三事業の中でも金融事業を郵便事業と一体で維持するという。これは巨額の郵貯マネーを国債に投じ続けるということ。民主党はバラまきマニフェストを実現する為に国債を大量発行しなければいけないが、郵貯以外でそんな巨額の国債を引き受けてくれる金融機関もないので、郵貯を国営として維持しないとバラまき財源を調達出来ないと脅されたのだろう。

小泉改革の基本理念は官から民へだった。これは国がやっている事業を民間企業がやることにして、その分のお金を減税や他の事業に回すという話だ。しかし、事業主である国や政治家の抵抗は激しい。そこで考えたのが、無限とも言える国債引き受け能力を持った郵貯・簡保の解体廃止だ。

郵貯・簡保が民営化上場によって政府の影響力が無くなれば、預金の8割を国債に投資するなんてことは無くなる。当然、国債の市場は縮小し、利率も上がるため簡単には発行出来なくなる。そうすれば、無い袖は振れないのだから公営事業を民間に解放せざるを得ない。そうなれば、国家予算はあっという間縮小する。

郵貯マネーが国債に投じられないというのは、民間の融資に資金が流入するということだ。企業が調達出来る金庫の大きさが膨らむので、融資をいままでよりも有利な利率で受けられるようになる。企業活動は活発になるので雇用も増える。官営事業は非効率な上に人件費が高いので民間でやれば官営の時よりも多くの雇用が創出される。この辺りが理解されていないのはとても残念な話だ。

そもそも、国が最も大きな金融機関と保険会社を運営しているというのは社会主義以外の何ものでもない。この決断が日本の競争力ある資本市場を後退させ、成長を阻害することになるだろう。

2009年10月20日火曜日

Cold Japan

日経ビジネスで「Cold Japan」という特集が連載されている。日本は「Cool=カッコイい」どころか「Cold=冷え切って」いるんだという。

日本のトップ企業で海外の売上比率が少ないところが多く、決してグローバルには成功していないというのが一つの切り口の様だ。携帯電話も新幹線も地上波デジタルも、日本規格が世界には通用せずに公金が無駄に使われているという見方は確かにある。ただ、日本には国内市場を満たすだけで産業や企業が成長出来るという環境もあったのだ。それは今も変わらず日本の根元的なアドバンテージである。

為に日本は国内市場だけを見ていれば良いというのが多くの経済官僚の考え方で未だに変わらないと思う。この考え方は戦前に大陸に進出して欧米列強に敗北を喫したことがトラウマになっているのかもしれない。常に欧米の風下に立つことで防衛しようとしているのかもしれない。だが、今や昔の様に欧米が日本企業を警戒することはない。その企業が雇用をもたらし、豊かな生活の糧となる製品やサービスを提供してくれるならば、その国にとってはハッピーだ。

"夏"に汗を流した官僚は、世界がボーダーレスになっていくことに鈍感だった。雇用も資金も情報もあっという間に国境を越えていく時代に国内企業を保護しても競争力が無くなるだけで、やがてはその産業や企業が重荷になってしまう。それが日本郵政であり、JALなのだ。

"夏"に官僚と関係企業が作り上げた産業構造は、成長余力の無くなった国内市場に企業を縛り付け、成長著しい新興国市場に進出するモチベーションを失わせたということなのだろう。

2009年10月19日月曜日

先端研究助成基金はいらない

麻生政権で発足した「先端研究助成基金」なるものが民主党政権の予算見直しの中で、凡そ半分に減額されることが決まったという。いっそのこと、この手の助成や補助金を撤廃してしまってはどうだろうか。代わりに研究開発への投資やそのリターンに対する課税を見直して、無税や減額してはどうだろうか。

補助金事業には「補助に値する事業かどうかは政府が正しく判断出来る」というバイアスがある。しかし、実際には優秀な人や組織が意見を摺り合わせて選択したものが結果を出すことは稀で、あまり効率的とは言えない。それよりは市場で資金調達をして様々な人たちの取引の結果としてものになることの方が多い。だから、開発研究への投資を課税控除したり、リターンへの課税を投資全体の成績で評価し課税するなど研究開発投資を促進する方法をとるべきではないかと思う。