2009年10月23日金曜日

ゆうちょとかんぽを地域分割会社にしよう

亀井大臣は郵便貯金の運用について「地方の金融機関と一緒になって地域経済のために役立つ方法を考えないといけない」と言ったそうだ。まことに結構である。地域で集めた金を地域の企業活動に融資して経済発展を図るのは当然で、ならば金融と郵政の担当大臣を兼務している彼にしか出来ない抜本的な改革がある。すなわち、郵便貯金の地域銀行への分割譲渡である。

分割単位は検討されている道州制の単位で良かろう。郵便貯金を契約者の住所によって地域分割し、地域の銀行に譲渡してしまえば良い。「地域銀行と協力」というが、地域銀行と貯金を奪い合うゆうちょがどうやって連携するのか分からない。地域銀行にゆうちょから融資をしてそれを原資に地元企業に融資するという方法は考えられるが果たして国営銀行が地域銀行に融資して影響力を強めることには問題が出るだろう。

ミニゆうちょを地域銀行に譲渡すれば、地域で融資に使えるお金は激増する。一番増えるのは東京だが、これは仕方がない。亀井大臣が目論むのは都会で集めた貯金を地域経済に融資させるということだろう。かつての財投で郵便貯金が中央省庁や政治家の恣意で公共事業に投資され、焦げ付いたというのがあるが、その再現を狙っているのだろう。

今回の日本郵政の次期社長人事は「コーポレートガバナンス」を無視した暴挙で法令遵守を旨とする行政トップのやることではない。指名委員会に働きかけて候補者を送り込むというのならまだしも、指名委員会を無視して「内定」を権限のない郵政担当大臣が出すのはおかしい。指名委員会には是非堂々たる批判と共に指名拒否と独自候補者の指名もしくは辞任をして欲しい。いくら元国営とは言え、株式会社として衣替えしたのだから政治家の過度な介入は許されない。それもこれも亀井大臣の「全体社会主義」体質に起因するものだと思う。

全体社会主義政治家の亀井大臣には自律的な資本市場は信頼に値しないので、ゆうちょやかんぽの地域分割は考えられないだろう。NTTを再合併しようとしている通信業界原口総務大臣も昨今の通信業界の競争を苦々しく思っているので、再合併を機に通信規制を強めて自律的な栄枯盛衰を妨げようとしている。その意味で、郵政に関わる二人の大臣がケンカになることはなさそうだ。

しかし、この二人に限らず事業経営経験もない政治家が日本郵政の経営問題にクビを突っ込むのは止めた方が良い。大失敗するのが目に見えている。

0 件のコメント: