2008年7月9日水曜日

G8首脳宣言を読むーその1

洞爺湖サミットの首脳宣言が採択された。読んでみて思ったこと、考えたことを書く。

世界経済に関する内容
この項目は「グローバル化万歳」「閉鎖的な国内経済制度は全廃せよ」ということだ。また、エネルギーや天然資源開発の透明性にも言及していて、資源国の世界経済への影響を抑えたいという考えが見える。つまり「資源を持っているヤツはサッサと出せ」ということ。知的財産権の保護も言われていて、「技術は真似するな」という考えが分かる。
要は、資源開発をし尽くして技術力を高めた先進国が資源を外交交渉に使うことに気付いた途上国を封じ込めようとしている様に映る。グローバル化や国内経済制度の解放は資本を持った先進国が途上国の国内経済に乗り込みたいということなのだろう。
グローバル化や開放的な経済制度がこの10年間東南アジアの経済をいかに傷めたかを考えると、いわゆる南北問題の再燃が心配になる。先進国を中心とする経済の枠組みはサブプライム問題をはじめとする複雑な金融技術や経済制度で痛んでいる。それを回復するには富の源泉となる資源を支配することだ。同時にグローバル化によってより強い政体が整ってきた途上国は資源を梃子に世界経済に対して権利を主張しだした。
悲観するわけではないが、世界の深刻な争いのタネは既に芽吹いている。
G8に非白人国家として唯一参加している日本、孤立化し戦争への道を選択せざるを得なかった日本がこの状況を打開する働きかけが出来ても良いと思う。

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