2009年2月17日火曜日

鳩山総務相の横車

日本郵政は鳩山総務相の批判を受けて「かんぽの宿」のオリックスへの売却を白紙に戻し、総務省への説明資料などを提出し、調査委員会や検討委員会を発足させる。鳩山総務相は早速「言い訳のオンパレード」「見苦しい」などと批判を重ねるが、提出された資料の調べもせずに根拠に乏しい。売却や入札の専門家の間では今回の入札自体に問題はなかったとの意見が多いらしい。
仮に、総務相が誤認や思い込みによってかんぽの宿売却を認めなかったとしたら、日本郵政や入札参加企業に対して賠償責任を負っても仕方ない。
鳩山総務相は「何故、今なのか?(時期)」「何故、その値段なのか(価格)」「何故、オリックスなのか」と言って説明を求めている。
時期については、民営化の際に売却期限が法律で決められていて、売却先決定後の手続きを考えると今しかないということだ。「この不況の時に買いたたかれても…」ともいうが、運営しているだけで赤字が積み上がっていくのだから、数年後に景気回復した時に売ったとしても赤字が取り戻せるとは限らない。逆に何故今では駄目なのか?何時なら良いのかを示さないといけないのではないか。法律で規定された売却期限があるのだから、法務相の時に期限通りに死刑執行をしたのと同じく、行政執行をしてもらいたい。
価格の件は鳩山総務相が理解しようとしているか分からない。そもそも、「かんぽの宿」の価値についての誤解がある。帳簿上の「資産」とした場合、かんぽの宿は確かにもっと高い。しかし、旅館業とした場合は、赤字があるから事業価値は殆どない。入札参加企業がつけた価格は、事業再生をして自分たちであればこれだけの事業価値を創出出来るという価格だ。何もしなければ、価値はマイナスなのだ。黒字の人気旅館一つだけで入札額の半分を超すのは当然で、他の旅館はマイナス査定。黒字の旅館をばら売りして、他の旅館は廃業して資産を切り売りすることも考えられるが、かんぽの宿売却にあたって雇用確保が優先されるのだから、それは無理だ。
最近の報道では、この時期と価格の問題はあまり触れられていない。鳩山総務相側にも分が悪いという判断が働いたのかもしれない。だから、今はオリックスに決まったプロセスに話しが集中している。提出された資料はこれから調べられるのだろうが、またズルズル先延ばししてタイムアップを狙っているのではないか?という疑いが頭をもたげて来る。
大体、総務相として先行きの決まった日本郵政のことなんかに関わっているばあいだろうか?それよりも未曽有の経済危機の中で塗炭の苦しみに喘ぐ地方自治体を救うべく、総務相としては経済産業省などにモノ申していくべきではないか?不正があったのならまだしも、かんぽの宿問題は大臣が熱中することではない。どうも、旧郵政官僚に操られているように見える。法務相の時の死刑執行も、執行自体が法務官僚の悲願であったとするなら操られていただけということになる。

まあ、官僚の操り人形という点では一貫しているが…。

0 件のコメント: