2009年10月2日金曜日

地方再生のアイデア

地方経済が疲弊していると言われる。

「疲弊」と言っても具体的に何がどうなっているのかは曖昧だ。地方財政が逼迫しているというのは今に始まった話ではない。今まで潤沢に供給されてきた地方交付税が減額されたというが、そもそも自分の稼ぎではないのだから最初からアテにするものではない。つまり、地方財政なんてものはとっくの昔に破綻していたわけだ。

地方財政が破綻するのは税収が少ないからで、税収が少ないのは納税者が少ないからだ。人口が減れば納税者も減る。つまり、人がいないから地方経済は立ち行かないのだ。

地方は仕切りと都会に人が出ていくというが、稼ぎ口と使い所がないと人は集まらない。稼ぎ口は農業の機械化と減反で減る一方。使い所は数少ないとなればなかなか人は居つかない。公共工事で雇用を生んでも、消費をする場所がなければ工事が終わると皆金を持って都会に出ていってしまう。だから、公共工事は地方経済の活性化の役には立たないのだ。

例えば、公共工事と一緒にカジノなど「管理しやすい消費」を持ってくれば金は地方に残るが、地方競馬の閉鎖などを見るとそれも通用しなくなった。電話投票や場外は地方が公共工事で回していた金の循環を断ち切ってしまったわけだ。

ボーダーレスとは何も国境というボーダーだけを指しているのではない。自治体の境や都市と地方の境も消し去ってヒト・モノ・カネが最も効率的に働く様に促したのだ。だからといって、自治体だけで使える地域通貨みたいなものを流通させても、そんな使い辛い通貨なんてすぐに淘汰される。

そこで、根本的な質問をしてみよう。

「何故、地方経済を立て直さないといけないのか?」

他の例で言うならば、

「赤字の会社を銀行が何故救済しないといけないのか?」

放漫な経営や筋の悪い商品にこだわっている会社は救済されないし、救済してはいけない。そこで働く人にとって、ニーズのないものを売ったり作ったりすることはとてつもなくモチベーションが下がることだ。だから、働く人を解放する為にも先行きのない会社は潰れるべきだ。

ところが、先行きがない自治体には際限なく税金が投入される。資源もなく、産業を興す力もない自治体が淘汰されることはない。住人は先行きのない会社と同様にモチベーションを落とし堕落していく。自治体が潰れることがあっても良いのではないか?

平成の大合併は自治体の数を減らしたが、弱者連合が出来ただけで強く自活出来る自治体が出来た訳ではない。合併すれば補助金が貰えるということに釣られただけのことだ。

結局、自分の力で生きていないものは弱い。ならば、地方交付税を廃止してしまえばどうだろうか。まずは身の丈にあった自治体経営をしてみてはどうか。

交付税がなくなれば、自治体全域にサービス展開出来なくなるところも出てくるだろう。でも、サービス圏内に転居してもらえば良い。転居が嫌なら、一部のサービスは諦めてもらうしかない。でも、人口が集中して、各種の福祉サービスの効率が良くなれば、住みやすくなるし、人も増えよう。

そうやって、人の密度を高めれば、税金は安くなるし、コミュニティーも成長する。人の密度が高ければ、産業もおきる。

地方経済を再生するには、一度交付税を廃止して見捨ててみてはどうだろうか。その為には今の都市と地方の格差を縮めないといけない。一票あたり5倍近く地方が強い国政選挙の投票格差を解消しないといけない。

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